9月10日、11日と北海きたえーるで開催された『「世界津波の日」2019高校生サミットin北海道』(主催、北海道・北海道教育委員会)に本校5年生3人が代表で参加しました。このサミットは世界44の国と地域から、また国内では道内外70校から、総勢400名を超える高校生が参加して、地球規模の天災そして防災について高校生として何ができるかを、国や民族の壁を超えて世界各地の高校生ならではの視点で探究交流をしました。

 

1日目午前のワークショップでは、グループごとのダイアログ。本校の生徒は司会やファシリテーターにあたる場面も多く、国内外の同世代の仲間と積極的にコミットしていました。折しも9月の上旬は一年前に胆振東部沖地震を経験したばかりであり、また東日本大震災の記憶もまだ鮮烈な中での参加でしたが、海に面した世界各地では津波や台風(ハリケーン、サイクロン等含む)が日本以上に身近で、高校生の意識も驚くほどに高く、トークに生々しいものもありました。

  

 

午後は開会式、参加するすべての国と地域の代表が壇上に上がり、一人ひとり紹介を受けると、同時にそれぞれと同じ国と地域のオーディエンスが立ち上がって拍手喝采。とりわけ民族衣装やその国ならではの正装に身をまとった高校生の華やかさが際立ち、日本人が外国へ行った時は和装で壇上に立つべきとは筆者個人の感想です。また開会式では主催者を代表して鈴木直道北海道知事が開口一番イランカラプテと挨拶、この世界規模の高校生サミットを北海道で開催することの意味を確認しました。

  

 

参加者全員での記念撮影の後に、午前のワークショップの続きで探究交流を行いました。チームごとの提言にも、どこの出身者がいるかで発表内容のカラーがまるで異なるので、これこそ異文化交流の醍醐味であり、楽しみでした。

 

夜は札幌パークホテルに会場を移してレセプションの時間、北海道地元の味としてジンギスカンにジャガイモやトウモロコシの素材を味わう料理だけでなく、ハラルフードが沢山用意されており、国際的なフォーラムの場に相応しいバイキングに舌鼓を打ちつつ交流をはかりました。アトラクションの部では国内外の高校生がパフォーマンスを披露、そのひとつ薙刀の演舞は日本の伝統文化のこのような魅せ方があったかと感心しました。

  

2日目朝、知事公館にてエゾヤマザクラの記念植樹、日本国内の高校生と海外の高校生とでペアになり共同作業、本校生徒はスリランカの高校生とともに苗木を植えました。また記念モニュメントの除幕式を行い、本校生徒も介添えで紐を引きました。知事公館の敷地内に未来にわたって残る記念碑のはじまりに本校生徒も関われたことは光栄でもあり、参加生徒の心に残るでしょう。

  

 

セレモニーの後に北海きたえーるへ移動し、参加者全員での記念撮影の後にラップアップです。12のグループに分かれた各分科会での提言のまとめを会場全体で共有し、総括する上で「イランカラプテ宣言」として高校生宣言を採択。市内高等学校書道部のパフォーマンスで会場を沸かせ、グランドフィナーレでは参加者がスマートホンの灯りを照らして会場を光の海で包みました。

    

参加生徒の声

●津波サミット2019に参加したことで、自分達に何ができるのか、何をすべきかを改めて考えられた。英語によるディスカッションでは自分の英語力の未熟さを体感したが、真面目な議論に参加できたことがいい経験となった。また、奥尻事前研修と2日間のサミットを通して道内外、そして国外の高校生と知り合うことができた。このネットワークを活かして、イランカラプテ宣言を基に次代を担う高校生による活動をしていきたい。(K)

●‪津波サミットに参加し、2日間で様々な学校、国の人達と交流することが出来ました。プレゼンテーションやディスカッションでは進んで発言をすることができず、自分の英語力の低さを痛感しましたが、今回を機にもっと英語を勉強して海外の人と並んで話せるようにまでなりたいと思うようになりました。とても貴重な経験となり、多くの人達と仲良くなれて良かったです。(H)

●津波サミットを通し、世界各国の考え方や防災に対する意識を知ることができた。英語でのディスカッション等は思うように話に入ることができなかったが、それでも自らの意見をしっかりと話すことができたのは、良い学習に繋がった。また、司会や除幕、そして何より総会での全体発表は、2度と経験できないような貴重なものであり、世界に「イランカラプテ宣言」を発信することができたことができたので、これから世界で防災への意識が広まり、備えを強化してほしい。(M)