「校長室の窓」をご覧の皆様、こんにちは。私の今朝の検温は平熱でした。週末を迎えますが、臨時休業中の土曜日、日曜日、祝日については、学校を閉鎖することとしておりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いします。

 今回は校歌を紹介させていただきます。平成23年(2011年)3月策定の「札幌市中高一貫教育設置基本構想」には、「なお、改編に当たっては、校名や校歌の継承を含め、改編対象校の伝統を踏まえつつ、新しい学校づくりを進めていくことを考えています」(7ページ)と記されており、「開成」の校名とともに札幌開成高校の校歌を継承することが示されています。

 そこで課題となったのが、校歌の1番、2番、3番の歌詞のそれぞれの結びにある「開成高校」の文言でした。その辺のいきさつを、前回紹介しました第16代校長岩本隆先生にお聞きしました。岩本先生は、校歌の継承に当たっては、札幌開成高校の卒業生も札幌開成中等教育学校の卒業生も同窓会等で一緒に歌うことのできる、つながりを感じることのできる校歌にすることが何よりも大事だと考えられたそうです。そして、そのことを作詞者であり詩人の谷川俊太郎氏に直接相談したところ、しばらくして、「開成高校」の部分を「開成札幌」とする案をご提示いただいたそうです。岩本先生が事前に予想していたものとは違っていましたが、谷川先生の説明を聞いて「なるほど」と感心したそうです。両校をつなぐ大切な財産として現在の校歌が誕生するきっかけとなった瞬間のお話でした。

  平成24年(2012年)度に開催された札幌開成高校50周年記念式典において、谷川俊太郎氏から、中等教育学校への改編を機に「開成高校」を「開成札幌」へ修正する案が提案され、平成26年(2014年4)4月、市立札幌開成中等教育学校の設置を機に、札幌開成高校の伝統を引き継ぐという思いから、これを本校の校歌としました。

 このエピソードは、IBの学習者像に当てはめると、「考える人 Thinkers」、「バランスの取れた人 balanced」、「心を開く人 Open-minded」のいずれにもも該当するような気がしました。

 ちなみに、本校職員室横の展示コーナーをのぞくと、谷川俊太郎氏直筆の校歌の歌詞額を見ることができます。

▼北海道札幌開成高等学校校歌の歌詞額。右の写真はその拡大写真。(谷川俊太郎氏直筆)

 

 新型コロナウイルス感染症の影響で、1年生の皆さんにはまだ歌詞付きの校歌を聞いていただいていませんが、興味のある生徒さんは、学校の再開後、展示コーナーをのぞいてみてください。さらに興味をもったら、谷川俊太郎さんがどのような方なのか調べてみてください。とても有名な方です。本校図書館にも蔵書コーナーがあり、寄贈いただいた書籍を読むことができます。
本日はご覧いただき、ありがとうございました。

令和2年(2020年)4月24日