「校長室の窓」をご覧の皆様、こんにちは。私の今朝の検温は平熱でした。やっと朝、夜の検温も日課として行えるようになりました。

 今回と次回は、記念モニュメントを紹介させていただいた際に再三登場した校訓と校歌を紹介させていただきます。今回は校訓です。

▼校訓「山アリ 空アリ 大地アリ 永遠を知れ」

 「山アリ、空アリ、大地アリ、永遠を知れ」という本校の校訓は、北海道開成高等学校初代校長の坂井一郎先生が定められたもので、本校でも継承させていただいたものの一つです。この校訓制定のいきさつについて第16代校長の岩本隆先生は、開校50周年記念誌の中で述べられており、とても分かりやすい解説なので、引用してみます。


 『山アリ 空アリ 大地アリ 永遠を知れ』という校訓は、生徒に自由な発想を期待した校訓です。初代校長坂井一郎先生は、この校訓に解釈や注釈は要らない。生徒一人一人が自由に解釈すれば良いのだと仰ったそうです。開成の自由な校風の源は実はこの校訓にあると思っています。坂井先生はそれを校歌の中に含めて代々歌い継がれるように配慮されました。校歌を通して校訓が私たちの中に生き続けています。坂井先生には教育者としての偉大さを感じます。

(北海道札幌開成高等学校開校50周年記念誌『The 50th Anniversary of Sapporo Kaisei High School』、非売品、2012、より)


 この校訓は、私も式辞や挨拶等でも度々触れさせていただいていますが、自分の心の中でその都度新たな発見があり、とても奥深い言葉だと感じています。生徒の皆さんも、入学時と卒業時でこの校訓は全く違って見えると思います。また、IBの学習者像を見比べたとき、私は真っ先に「挑戦する人 Risk-Takers」を思い浮かべましたが、生徒の皆さんは何を思い浮かべるのか、学校が再開されたら聞いてみるのが今から楽しみです。

 なお、上の写真は坂井一郎先生の直筆とされる手書きの校訓ですが、残念ながら原本を見つけることはできませんでした。そこで札幌開成高校の歴史を記した様々な冊子に掲載されているもののうち、最も古いと思われる「校舎新築竣工記念」パンフレット(1963年発行)の文字をスキャンして掲載させていただきました。

▼北海道札幌開成高等学校新築竣工記念」パンフレット

 また、この資料を探す中で、坂井一郎先生直筆の札幌開成高校第1回卒業式の式辞原稿も保存されていることが分かりました。

▼坂井一郎先生直筆の卒業式式辞。下の写真右は冒頭の部分。右は末尾の部分。達筆です。

 

 「陽射しも漸く暖かさを増し」から始まるこの式辞を、札幌開成高校第1期生の皆様は実際に式場で聞かれたのだと思うと、感慨深いものがあります。校舎移転でも散逸を免れた貴重な資料ですので、今後も大切に保管していきたいと思います。

本日はご覧いただき、ありがとうございました。

令和2年(2020年)4月22日