校長室から:第45回卒業証書授与式式辞
3月に入り、草木萠動と言われる、72候の雨水も末項に入りました。大雪に見舞われた今年の冬でしたが、このところの陽気で、校舎の周り
の雪も随分と解けました。だんだんと春めき、 暖かい日差しに誘われるかのように、地面や木々の枝から萌黄色の小さな命が一斉に芽吹き出
す、暦の上だけではなく、実際に春を感じる季節になってまいりました。
本日、市立札幌新川高等学校での3年間の学びを終え、卒業する第45期生の皆さん、卒業おめでとうございます。全ての在校生と教職員を代
表して、皆さんの卒業を心からお祝い申し上げます。また、保護者の皆様におかれましても、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。
このような佳き日に、PTA会長様、体育文化振興会理事長様、後援会会長様をはじめ、 新川西中学校区パートナー校の校長先生、PTAなど、
ご来賓の皆様のご臨席を賜り、また、多くの保護者、ご家族の皆様にご出席いただき、第45回卒業証書授与式を行うことができますことに、心
より感謝を申し上げます。
さて、卒業する皆さんにとって、3年間の高校生活はどのようなものだったのでしょうか。 勉強に、部活動に、そして様々な活動に、時には
思い通りにならず、やってきたことの全てを発揮できなかったかもしれませんが、心を注いだ充実した3年間だったのではないかと思います。
これから大切になっていくのは、 自分の軸をもち、 思い通りにならなくても、自らの意志で人生を切り開いていくことです。 新川高校の校訓
「開拓者たれ」は新川高校在学中だけではなく、この後の人生にも通じる人生訓でもあります。
オリンピックがちょうど終わったところですが、受験の準備のため、テレビなどで観戦した皆さんはそう多くはなかったかと思います。 直前
で負ったけがを押して出場した選手や、大きな挫折から這い上がった選手など、 これまでの困難を克服し、想像できないほどの葛藤を乗り越え
て、多くの選手が今できる最大のパフォーマンスを見せてくれました。
私たちは選手の輝かしい競技の瞬間を見ていますが、 私たちの見えないところでどれほどの時間をかけて、技術を習得し、精神を鍛えたのか
ということを想像すると、尊敬の念をぬぐえません。 本番のわずかな時間のために、4年、いやそれ以上の時間をかけて準備をしてきたと推察
します。
皆さんも、 部活動などの多くの活動について、大会などでパフォーマンスを発揮する時間の何十倍、何百倍、いや何千倍もの時間をかけて準
備をしたと思います。 かけた時間の長さではありませんが、それでも費やした時間のなんと長いことでしょう。 この準備の大切さについては
多くの方が語っており、皆さんもそう感じているのではないかと思います。中には、「準備が全て」という方もおられます。 この先、様々な活
動で成果を出していかなくてはならない状況になるかもしれませんが、 どんなときでも準備の大切さを心にとめ、力を尽くすことを願っていま
す。
一方、その準備をしてきたことが結果として現れれば喜ばしいことですが、 成功するときもあれば失敗することもあり、全てが思い通りの結
果になることはありません。むしろ、思い通りの結果になることのほうが少ないと感じます。10回やって成功するのは1回という実業家の方も
います。大切なのは、思い通りにいかなかったことをどう次に生かすかということです。 そのように考えることによって、その失敗が逆に生き
てくると同時に、その人自身を強くもします。 失敗が人を作るといっても過言ではこの先に現れる思い通りにならないことは決してマイナスな
のではなく、むしろ自分を強くするプラスであるという強い考え方をもってほしいと思います。
新川高校の校訓「開拓者たれ」には、先人たちが、この地を豊かにするために、 困難にもめげず、地道に努力を重ねたこと、自然に跳ね返さ
れても挑み続けたことなど、その意志の強さが現れています。 校訓「開拓者たれ」は、この後の人生にも通じる人生訓でもあるとお話ししまし
たが、この先もこの「開拓者たれ」の精神を忘れず、歩みを進めてほしいと願っています。
改めまして、保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、おめでとうございます。 そして、 これまで
新川高校の教育活動にご理 解とご協力、ご支援を賜りまして本当にありがとうございました。 高校
時代の3年間は多感な時期であり、時にはお子様とぶつかったこともあろうかと思いますが、どのよ
うなときでもお子様としっかりと向き合っていただき、最後まで愛情を注いでいただき本当にあ りが
とうございました。
今日は、皆さんの卒業をお祝いする日ですが、皆さんがこれまでお世話になった方々に感謝する日でもあります。 休日に部活動の会場まで送
り迎えしてくれたお父さん、毎日お弁当を作ってくれたお母さんなど、 様々なことに皆さんの背中を支えてくれた家族の方々に、ぜひ「ありが
とう」と感謝の気持ちを伝えてください。
結びになりますが、皆さんが中心となって活躍するこの先の社会は、今以上に劇的に変わっていくことが予想されます。 たとえどのような社
会が訪れたとしても、皆さんがこれから歩む未来が挑戦に満ちた素晴らしいものになりますことを祈念し、第45回卒業証書授与式の式辞といた
します。
令和8年3月1日
市立札幌新川高等学校 校長 宮田 佳幸


