学校がたいへん近くなりました。教員としてスタートしたときは、当時の自宅から学校まで公共の交通機関を使

 て片道2時間かけて通っていましたが、この4月より徒歩で通勤できる学校への勤務となりました。

 着任式、始業式、入学式、そして対面式と新学期の慌ただしい一連の学校行事がやっと終わりました。4月1日

からの新学期の様々な準備をしている中で、先生方との打合せや生徒との会話から、新川高校の校風を感じること

ができ、生徒を引っ張っていく先生方の力強さや素直で芯の通った生徒のしぐさなど、これから始まる新川高校で

の生活が楽しみになってきました。

  さて、入学式が終わった次の日に、新1年生と2・3年生の対面式があり、その中で部活動の紹介がありました。

 各部活動では、趣向を凝らして笑いを誘おうと様々なパフォーマンスをしておりましたが、緊張している1年生は

 「ここで笑っていいのか」と周りを見ながら、先輩たちのパフォーマンスに目をくぎ付けにしておりました。

  30数部の部活動の紹介がありましたが、メジャーな部活動からこんな部もあるのかというマイナーな部活動まで、

 ステージの上に立った部員たちを見ていると、「青春しているなあ」と感じたところです。

  この対面式では、最初に私から次のようなことをお話ししました。

 

    私たちは、いろいろな情報を見たり聞いたり経験したりする中で様々なことを決めますが、残念ながら、

   知っている範囲の中でしか決めることができません。大学を決めるときも就職するときも知っていることの

   中で決めています。いろいろなことを知ることで、選択する範囲も広がり、進むべき道も広がっていきます。

   しかし、ひとたび選択したのなら、それを深く行っていくことも必要です。

  1万時間の法則というものがありますが、どんな初心者でも1万時間を費やせば、その道の達人になれる

 というものです。1万時間は13時間を毎日休まず10年間続けることです。高校時代にそのような多くの時

 間をかけることはできませんが、準備や努力をした時間は決して高校時代のものだけではなく、その後の人

 生にもつながっていくことだと思います。

   今日は、配布された開拓新書~開拓者たれ~をもとに説明があります。まずは様々なことを知り、そして

 選んだ部活動に対して本気で取り組んでほしいと思います。

 

 高校時代の3年間は何かに一生懸命打ち込めるかけがえのない時期で

す。一生懸命に打ち込むがゆえに何度も困難に直面すると思います。し

かし、困難に直面しそれを乗り越えることで、人は一回りも二回りも成

長していきます。また、何かに一生懸命に打ち込んだという高校時代の

経験は、将来訪れるだろう困難に対しても乗り越えていける糧となると

                    信じています。

   新1年生の生徒の皆さんには、先輩の所作を見習い、早く新川高校の生徒として充実した高校生活を送ってほし

 いと思うと同時に、私も早く新川高校の教職員の一員となれるよう、しっかりと職務に励みたいと思います。

 

 ※      この4月から、市立札幌新川高等学校の校長として着任いたしました宮田佳幸と申します。これから新川高校

  に通う生徒たちの学校生活がさらに豊かになり、充実したものとなるよう力を注いでいきたいと思います。どう

  ぞよろしくお願いいたします。

   この「校長室から」では、学校行事や生徒の様子などについて、毎月1回のペースでコラムを書きたいと思っ

  ております。ぜひお付き合いいただければ幸いです。

 

                                                                         令和7年(2025年)411

                                                                              校 長    宮 田 佳 幸