校長室から:地域との連携に向けて
徒歩で通勤している私は、車の運転も週末くらいになりました。そんなサンデードライバーの私ですが、最近は
車の中ではジョン・ウィリアムズさんの曲をよく聞いています。日曜日の夜に放送されているNHKEテレの「ク
ラシック音楽館」でジョン・ウィリアムズさんの曲を特集しているときは忘れずに観ています。皆様ご存じのとお
り、ジョン・ウィリアムズさんは「スター・ウォーズ」や「インディー・ジョーンズ」、「ジョーズ」などの映画
音楽の作曲者で、スティーブン・スピルバーグ監督とタッグを組んで数々の映画をヒットさせた方です。
小澤征爾さんがお亡くなりになって1年ほどが経ちますが、生前の2023年9月に長野県松本市で行われた音楽祭
「セイジ・オザワ松本フェスティバルOMF」において、30年ぶりに来日したジョン・ウィリアムズさんがサイト
ウ・キネン・オーケストラを指揮した模様が「クラシック音楽館」で放送されました。OMFの総監督であった小
澤征爾さんとジョン・ウィリアムズさんとは、小澤さんが米ボストン交響楽団の音楽監督だった頃からの盟友だそ
うです。
そのジョン・ウィリアムズさんの曲を生のオーケストラで聴ける機会があり、4月29日(火・祝)にキタラで行
われた佐々木新平さん指揮・札幌交響楽団による「ジョン・ウィリアムズ フルオーケストラコンサート」に行っ
てきました。「スーパーマン」や「JFK」、「ハリー・ポッター」など、数々の映画音楽を聴くことができて大
変満足し、余韻に浸りながら幸せな気持ちで帰ってきました。
キタラに行く機会はそう多くはありませんが、本校吹奏楽部のトランぺットメンバー6名の生徒が札響と共演す
ることを顧問から聞き、再びキタラに出かけました。ヴェルディ作曲の歌劇「アイーダ」の凱旋行進曲(サッカー
の応援歌としてよく耳にしていると思います)を、本校の生徒が3名ずつ左右の観客席の上部から札響の方ととも
に演奏しておりました。その札響の方の一人が、先のコンサートでJFKを独奏していた方でしたので、その方と
堂々と共演していて素晴らしいと思いました。プロの演奏家と共演したことはきっと生徒たちには大変貴重な経験
となったはずです。このような機会をいただきました札響の皆様には大変感謝申し上げます。
札響の籠谷春香さん(左)と小林昌平さんと本校トランペットメンバー(キタラ楽屋にて) 新・新 春のほんわかコンサート
さて、その吹奏楽部ですが、5月11日(日)に地元の新琴似・新川地区センターで行われた「第12回 新・新
春のほんわかコンサート」に出場するということを聞き、再び観てきました。
本校の演奏では、2・3年生の演奏が中心でしたが、1年生が踊りを披露し、会場を沸かせた場面もありました。
周りを見ると、ノリノリのお母さんや、お父さんのかたぐるまで手をたたいて喜んでいる小さいお子さんもおり、
本校を含む5校の吹奏楽部の演奏が地域へ文化を発信し、地域住民の方に楽しんでもらうとともに、地域住民の方
が交流する場面の創出に一役買っていることは間違いありません。学校と地域が連携し、地域の活性化に向けた取
組として活動させていただいておりますが、4月に行われた新川さくら並木クリーン作戦も地域の課題解決に向け
ての取組の一つになっています。
子どもの数が減っていく中で、これまでと同じことができなくなりつつあります。学校や地域がそれぞれ単独で
行ってきたこともそれ自体が維持できなくなりつつあります。維持できないならやめてしまえという考えもありま
すが、学校と地域が協働して、お互いに足りていない部分を補える関係になっていくことも大切ではないでしょう
か。高校生が地域社会の一員としての意識を高めることが必要ですし、地域社会も高校生を育てていくという意識
があれば、お互いが Win-Win の関係になってさらに良い連携になっていくのではないかと思います。
高校生の周りには経験や体験する機会が数多くありますが、そのほとんどを経験せずに素通りしていきます。日
々の勉強や部活動の忙しさはあるとは思いますが、高校生でしか経験できない社会や地域との関わりがあります。
新川高校の生徒には、外にも目を向け、様々なことに積極的にチャレンジしてほしいと思います。高校時代はわず
か3年しかないのだから。
令和7年(2025年)5月21日
校 長 宮 田 佳 幸
