9月も終わりに近づき、朝夕の気温も低くなってまいりました。歩道には落ち葉が見られるようになり、秋を感じ るよう

   になってきました。今年の札幌の夏は大変暑かったですが、本校でもついにエアコンの設置工事が始まり、来年は涼しい環

   境の中で学びが進められることでしょう。

  そんな暑い盛りの夏休み終盤の8月18日(月)に、 札幌市教育委員会主催で市立中学校の生徒会の生徒が集まり「さっぽろ

 っ子サミット」*1 が札幌コンベンションセンターで開催され、私もその様子を見学してきました。サミットは、子どもたち

   が友人や地域の大人と協力しながら、 自分たちの願いや思いを実現する「さっぽろっ子自治的な活動」の一環で、 今年度は

 「仲間とともに築く秩序ある学校生活」 をテーマとして活発な協議が行われました。各中学校の生徒は6名ほどのグループに

 分かれ、 それぞれのグループでは、 いじめ防止の取組やあいさつ運動、異学年交流、イベントの企画などの自校の自治的な

 活動を紹介し合っていました。

    この協議には市立高校の生徒も高校生アドバイザーとして参加し、グルー

 プでの協議についてファシリテーターとしてサポートしました。参加した高

 校生アドバイザー40名のうち本校の生徒は13名おり、 しっかりと役割を果

 たしておりました。  実はこのサミットの中で驚いたのは、 協議のあとの実

 践発表ですでに中学生が地域の方々と協働しながら、   地域の活性化に一役

   ファシリテートする本校の生徒(左手前の二人)*2    買っている事実を知りました。  札幌市では、 中学校区を一つの単位として

   小中一貫した教育を進めています。 この中学校区のパートナー校で学校運営協議会を立ち上げ、 コミュニティスクール (以

   下、「CS」)*3  を導入しています。 先に紹介しました中学生が地域と協働 している事例もこのCSによるものでした。

      道路を挟んで本校の南側には新川西中学校、西隣に新川小学校、東側には新光小学校があり、 この小学校・中学校で新川

   西中学校区を形成しておりますが、 この3校に本校を含めた小中高の4校が新川西中学校区パートナー校として組織してお

   ります。高校を入れたCSについてはまだ制度が整っておらずこの地区でのCSは準備段階ですが、この地域の強みを 生か

   しながら、校種間の交流にとどまらず、地域の活性化にも力を発揮していきたいと考えています。

      夏休みに入る前に、本校では学校関係者評価委員会*4  を開催し、 4名の委員の皆様に、学校の現状と今後の課題につい

   てお話させていただきました。地域の清掃活動や除雪などのボランティア活動など、地域との結びつきを大切にし、 高校生

   の力がもっと地域と結びつくことを期待していたところであり、 この学校関係者評価委員会の中で委員の方から、新川通り

   の桜並木の保存について、高校生の力を借りたいとのお話をいただき、 本格的に地域とつながる第一歩になるのではないか

   と期待を膨らませたところです。

    少子高齢化といわれて久しいですが、統計書などを見ると、子どもの数が今後大幅に減少して行くことがわかっています。

 また、高齢化社会とよく言いますが、現在では、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合、つまり高齢化率によってその言

 い方が区別されています。 高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、 14%を超えると「高齢社会」、 そして21%を超え

 ると「超高齢社会」となります。日本では1970年に高齢化社会に、1994年に高齢社会に、そしてすでに2007年には超高齢

 社会に突入しています*5 。  このような状況を考えると、「地域を担うのは高校生の役割」となっていくという考え方も進

 んでいくのかもしれません。

 

     *1 「さっぽろっ子サミット」は昨年度から始まり、今年度の開催は2回目。

        *2   北海道新聞8月19日掲載「北海道新聞提供」 (北海道新聞社許諾D2509-2609-00030328)

     *3    今年度は、94パートナー校のうち40のパートナー校で学校運営協議会が立ち上がっている。

        *4    学校関係者評価は、自己評価の客観性・透明性を高めるとともに、学校・家庭・地域が学校の現状と課題について共通

                       理解を深めて相互の連携を促し、学校運営の改善への協力を促進することを目的として行うもの(文部科学省HPより)。

        *5 内閣府のHPより。令和6年10月1日現在、日本の高齢化率は29.3%で、世界第一位となっている。  


                                                                                                           令和7年(2025年)9月29日

                                            校 長  宮 田 佳 幸