5月26日、校長室を飛び出し、1年生の理科の授業をじっくりと見てきました。本校の1年生は、2時間連続の授業を1日3種類展開しており、それぞれをセッションと称しています。この日は、6・7時間目、セッション3の授業でした。
まずびっくりしたのは、先生が何も指示をしていないのに、全ての生徒たちが、黙々と自分の作業に取りかかっていたこと。本校では、授業の内容的なまとまりをユニットといいますが、今回の理科のユニットでは、光の反射と屈折を活用した「モノ」を実際に作り、その「モノ」についての光の反射と屈折に関する説明書の作成、それらを活用した説明動画のi-padによる撮影、振り返りシートの提出というのが最終課題となっています。ユニットも終盤に差し掛かっており、課題の進捗状況は生徒それぞれでしたが、時間をもてあましたり、何をしていいのか分からずにボーっとしていたりする生徒は皆無。自然と、あちこちで、教えあい、学びあいの輪も生まれており、生徒たちは、一人でじっくり探究したり、仲間からサポートを受けたりしながら、それぞれ課題の作成に取り組んでいました。まさに教室全体が「学びの共同体」という感じでした。
そのような中、授業の先生が、実にタイミングよく個々の生徒たちに言葉がけをしていたのが印象的でした。生徒の疑問にすぐに答えを与えるのではなく、独特の話術で生徒自身の探究と生徒同士の学び合いへと誘っていました。授業の最後の振り返りの場面では「今日は時間いっぱい、徹底的に頭を使って考えていました。」という声も聞かれました。
このセッションの中で、多くの生徒たちが、学びあうことで自分の探究が深まることや、困った時には周りの人が助けてくれることなど、「わたし、アナタ、min-na そのすがたがうれしい」を実感したようでした。生徒たちが真剣に学びあっている姿を見ることができるのは、何よりもうれしいことです。