令和元年度第3回卒業証書授与式

 やむを得ず出席が叶わなかった卒業生の皆さん、そして卒業生の保護者の皆様、ご参列いただく予定だったご来賓の皆様、令和2年(2020年)3月2日月曜日、午前10時より短時間で第3回卒業証書授与式を行いましたのでご報告させていただきます。

 このたびの新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、予定されていた日時と形態での式典とならなかったことについて、人生の門出となる晴れの日を心待ちにされていた皆様の心情を思うと大変申し訳なく、この場をお借りしまして心よりお詫び申し上げます。

 ついさきほど私が卒業生の皆さんにお話しした式辞の内容を、掲載させていただきます。また、ホームページで予告させていただきましたように、卒業証書授与式の様子は、後日DVDにて卒業生の皆さんの各ご家庭に送付させていただきます。

 北海道知事から緊急事態宣言が出され、札幌市長が「知事の行動を支持し、今後も北海道と連携して対策を強化していきたい」と表明するなか、生命の安全を第一に、卒業生の皆さんには引き続き、新型コロナウイルス感染症の予防と感染拡大防止に万全を期すようお願いいたします。


 式 辞

 3期生の皆さん、卒業おめでとうございます。また、本日ご参列いただくことが叶いませんでした保護者の皆様にも、お子様の御卒業を心よりお祝い申し上げます。

 まずは、皆さんにお詫びの気持ちを伝えたいと思います。本来であれば、これまで皆さんの成長を見守ってこられた保護者の皆様やご来賓の皆様、そして在校生が見守る中、一人一人から、未来に向けての決意を聞き、卒業証書をお渡しすべきところ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、このような形で実施せざるを得ませんでした。このことを学校の責任者として申し訳なく、皆さんにお詫びしたいと思います。

 そのような中、担任の先生方は、限られた条件の中で、少しでも皆さんの門出を祝うにふさわしい式典となるよう知恵を絞ってくれました。そして皆さんは、この状況を受け止め、恐らく心中複雑ではないかと察しますが、式の実施に協力してくれたことを本当にうれしく思います。教職員一同、心から感謝しています。ありがとうございました。

 さて、私の式辞も短く、最後に皆さんに伝えたいことを2点お話しします。

 1点目は、これからの長い人生を歩む中で、それこそ人生の転機となるような決断を迫られるときが、一度や二度はあると思います。そのようなとき、誰かのせいにしたり、無批判に他人に自分の人生を委ねてしまったりせず、自分で考え、答えを探し求め、最後は自らの責任で決断する「覚悟」をもってほしいと願っています。これこそが、本当の意味での「自立」の第一歩だと私は考えています。

 そして2点目は、この学び舎で、ともに3年間を過ごした仲間や 、開成高校時代からの卒業生や関係の方々との強い絆は、皆さんにとって生涯の財産です。本校出身ではない私だからこそ感じるのかもしれませんが、この絆は本当にうらやましく思います。これから歩む人生の力強い味方として、大切にしてください。

 結びになりますが、これまでは、「わたし アナタ min-na そのすがたがうれしい」という学校教育目標のもと、「ああすべきではないか」「これでいいのか」などと、具体的な方向性を示されることが多かったと思います。卒業証書を渡し終えた、今このときからは、「山あり、空あり、大地あり、永遠を知れ」という校訓に決まった解釈がないように、「私はこう考える」「あなたはどう思うのか」、そんな自由闊達な世界を存分に楽しんでください。

 先日の同窓会入会式で玉成会顧問の横谷様が、校歌の大好きな一節を紹介してくれましたね。皆さん、ちょっと目を閉じて、何度も歌ったそのフレーズを思い浮かべてみましょう。「我ら いかに 生くべきか」。目を開けて前を向いてください。「我らいかに生くべきか」。これを卒業のはなむけの言葉とし、式辞といたします。

令和2年3月2日 校長 廣川 雅之