第19回全国中高一貫教育研究大会(その2)
令和元年(2019年)11月23日土曜日に行われた中高一貫教育研究大会では、会場校である徳島県立富岡東中学校・高等学校の授業公開が行われました。今回と次回の2回に分けてその様子と私の感じたことをお伝えしたいと思います。
まず、体育館では、中学2年生と高校2年生の生徒さんたちが、ESD課題研究成果中高合同発表を行っていました。体育館の周囲には工夫をこらしたプレゼン用のポスターが並び、ポスター作成者が参加者に対して熱心にポスターの内容を紹介していました。参加者は発表評価用紙を持ち歩いており、ポスターの下に用意された回収袋にコメントなどを記して入れていました。
▼ESD課題研究成果中高合同発表の会場の様子
▼発表用ポスターの一部と発表評価カード入れ
私が聞いたプレゼンの中で「あっ」と思った発表がありました。スポーツにおける良いパフォーマンスについて考察する「結果を出すためには何が必要か」というタイトルのプレゼンだったのですが、その中で、人があることに没頭しているときに見られる「フロー状態」と呼ばれる現象についての考察がありました。この「フロー状態」については、以前、茂木健一郎氏の著書を校長カフェで紹介したときに私も触れたことがあり、探究を深めていくと脳は「フロー状態」に入り、すごく集中しているがリラックスもしているとの内容を紹介し、本校の課題探究的な学習においても、脳がこのような状態になることを目指したい旨お話をしました。今回の生徒さんの発表でも、スポーツによくみられる「フロー状態」はそれ以外の場面でも効果が期待できると話していました。このような探究をしている生徒さんもいることにうれしくなり、思わず質問してしまいましたが、一生懸命に答えてくれました。
次に、中学1年生の「あわ文化探究学習」の発表の様子を紹介します。中学1年生の皆さんは地元の「あわ文化」をテーマに、郷土の伝統文化や自然、産業などについて探究する学習を行っているとのことで、当日は1枚の大きな手書きのポスターを作成してグループで発表していました。
残念ながら生徒さんの顔が映り込んでしまい写真は掲載できませんが、ちょうど「坂東俘虜収容所」についての発表を聞くことができました。徳島県ゆかりの人間ではない私にとっては聞きなれない名前でしたが、あとから調べてみると、この収容所は第一次世界大戦のとき、それまでドイツの租借地だった今の中国の青島で捕らえられたドイツ兵を収容するための施設で、捕虜に対する人道的な配慮がなされた施設として知られているようです。富岡東中学校の生徒さんはよく知っているようで、質疑応答の時間には質問も出ていました。私たちが暮らす札幌市や北海道にも郷土ゆかりの知っておくべきことがたくさんあります。本校の生徒なら、札幌や北海道のどんなことに注目するのだろうかと思いを巡らせながら聞いていました。
次回は、残りの公開授業の様子についてお伝えしたいと思います。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。
令和元年(2019年)11月27日