令和元年(2019年)8月7日水曜日から9日金曜日までの3日間、仙台市にある仙台育英学園高等学校宮城野キャンパスを会場に行われた、国際バカロレア(IB)機構主催のワークショップに参加しました。IB認定校の校長は、認定されたプログラムの管理者向けワークショップを受講する義務を負っています。本校はIBのMYPとDPの認定校ですので、私は、これら2つの管理者向けワークショップに参加しなければなりません。このうちDP管理者・コーディネーター向けのワークショップには、私が札幌市教育委員会在職時に参加する機会があり受講済みでしたので、今回は、まだ未受講だったMYP管理者・コーディネーター向けのワークショップに参加しました。

 会場のある仙台市の最高気温は、7日が33.4度、8日が32.5度、9日が33.6度と非常に暑く、そのような中、仙台育英学園高等学校関係者の皆様にはワークショップを運営いただき大変お世話になりました。この場をお借りして感謝を申し上げたいと思います。

 さて、3日間のワークショップでは、私の参加したワークショップ以外にも、国語、社会、理科など多くの教科のワークショップが開かれました。初日の開会式で全員が一堂に会した後、それぞれの科目ごとに分かれました、私は、ワークショップリーダーの先生と17名の受講者の18名で、1セッション90分のプログラムを11セッション、時間にして合計990分みっちりと学びました。そんな中、毎日の昼食時には会場校の生徒さんが、ボランティアで自分たちのMYPやDPの学びの様子についてプレゼン形式で紹介してくださり、私たちの脳をリフレッシュさせてくれました。

▼会場校の生徒さんによるプレゼンの様子

 さて、私がIBのワークショップに参加したのは平成27年(2015年)以来のことになります。久しぶりに参加して感じたことの中から、今回は3点簡単に紹介したいと思います。

 1点目は、IBのワークショップは、普段私たちの学校の毎日行われている授業そのものだということです。参加者全員で目指すべき目標を共有し、そこに向けて、一人で調べたり、参加者同士で議論したり、文字に書き起こして考えをまとめたり、プレゼンやギャラリーウォークなどで成果を共有したりと、様々な活動が行われます。90分のセッションはあっという間に終わるのですが、その日のプログラム終了時には、相当な脳の疲れを感じます。生徒の皆さんも普段このような経験をしながら学んでいるということを認識しました。

 2点目は、単元計画書(教員が作成する授業の設計書のようなもの)がどのように作成されるのかを実際に体験し、概念理解がなぜ重要なのか、探究を促す問いの立て方、評価のこと、どのような学習経験(活動)を通して目標に近づくのかなど、IBの教育プログラムの基本的な考え方を確認する良い機会となりました。と同時に、単元計画書の作成には多くの時間が費やされることになり、本校の教員の熱意と頑張りを認識する機会ともなりました。管理者として自校の生徒や教員がどのような経験をしているのかを肌で感じることはとても重要なことだと教わりました。

 3点目は、私自身がIBの学びに少しずつ慣れてきたという感覚を持てたことです。オープンエンドで必ずしもワークショップリーダーが正解を示さないこと、自ら積極的に発言したり参加したりすることが求められること、時間は無限ではなく、1つ1つの課題に対して限られた時間の中で取り組むことが求められることなど、私が子どもの頃に受けてきた教育とは異なるスタイルに、前回参加したときはかなり戸惑ったのですが、今回はほとんど気になりませんでした。本校の生徒も、入学当初は以前の私のような戸惑いを覚え、時間が経つにつれ、今回の私のように変化していくのかもしれません。理屈だけではなく実際に経験を通して学ぶところがIBのワークショップの良いところです。

▼MYP管理者・コーディネーター向けワークショップの様子

 

 今回のワークショップで学んだ具体的な内容は、今後の教職員研修の機会に共有するだけではなく、「校長カフェ」などの折にも触れていきたいと思います。本日も最後までごお読みいただきありがとうございました。

令和元年(2019年)8月16日