理科 「不織布」 (R4.3.10)

 

 不織布といえば「おしぼり」のイメージでしたが、いまはすっかり「マスク」の代名詞になってしまいました。「不」ではじまり、やや負のイメージ(使い捨て)がありますが、フェルトの代用品として、歴史は古く、私たちの身の回りで大活躍しています。

 ところで、以前、「うだつがあがらない」の語源ともなった岐阜県美濃市を訪問して、和紙(ユネスコ無形文化遺産)の素晴らしさを実感しました。また、その後、高知県で、日本三大和紙のひとつ「土佐和紙」に触れ、紙産業技術センターで不織布の製造工程を見学する機会を得ました。

 今回は、綿のガーゼのマスクや羊毛でできたフェルトのほか、さまざまな不織布(マスク、おしぼり、水切りネット、レンジフードフィルター、スリッパ、・・・)を双眼実態顕微鏡で比較観察しました。  

                                                                                                                             http://www.vilene.co.jp/about/nonwoven/how.htm

 

                                                

綿のマスク            フェルトのストラップ   不織布のマスク     

 

       綺麗な縦横の織り込み  からみ合う羊毛の繊維  串で刺したような規則的な穴         

おしぼり       レンジフードフィルター     カイロ     

 

縦方向に並んだ繊維と溝      不規則な接着      規則的な接着                         

 不織布にはさまざまな製法が考案されていますが、こうして拡大すると、どのようにして作られたのかよくわかります。 

(理科担当)

 

理科 「アクリル加工 -ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)-」 (R4.3.9)

 

 アクリル加工で理科の教材を色々と作製してきたが、今回は、高分子の学習の一環として、それぞれ欲しいものをデザインして作ることにしました。

 

 1時間の授業でしたが、切断(アクリルカッターで傷をつけるパキンと折れる)、折り曲げ(電熱線で温めると軟化し、屈折率の変化が目に見える)、接着(瞬間接着剤は不可、弾性接着剤は可、普段は、ジクロロメタンをシリンジで流し込む)など、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)への理解を深めることができました。

(理科担当)

理科 「夢の鉱石ラジオ」 (R4.3.8)

 

 理科好きなら一度は試してみたことがあるのが鉱石ラジオである。小学校の頃、友人がゲルマニウムラジオを作って学校に持参して「声が聞こえる」といっていたが、自分には何も聞こえなかったことを覚えている。

 今回は、ゲルマニウムダイオードが手元にはなかったので、以前、入手したショットキーバリアダイオードを用いることにした。アクリル板を加工して、端子を埋め込み、バリコンやクリスタルイヤホンをセットし、エナメル線をポリビンに巻いたコイルを接続した。アースは、コンセントのアース端子につなぎ、アンテナは、3階理科室の窓から1階あたりまで被覆線をつり下げて十分な長さを確保した。

 イアホンを耳にあて、バリコンを調節すると、ラジオの英語講座だろうか、朝ドラを教材にした英語が聞こえてきた。

 

  英語の放送を聞き取る    コイルを巻く  上の緑がアース、赤がアンテナ

 電池もICチップも使わず、シンプルな原理だけでできているので、TVや携帯の仕組みを理解する手助けになる。

(理科担当)

理科 「液状化現象」 (R4.3.8)

 

 片栗粉2に対して水1を加えて「ダイラタント流体」をつくり楽しんだのに続き、今回は、理科室の物品棚にあった実験セットを用いて液状化現象の実験を行いました。

 容器を軽くたたくと砂に埋もれたマップ画鋲がひょっこり顔を出す瞬間が愛らしいのですが、これが地面からマンホールが立ち上ってきたり、地盤が緩み建物が倒壊したりするとなるとただ事ではありません。

 今年の冬は、コロナに加えて大雪にも悩まされましたが、「災害(天災)は忘れた頃にやってくる」は、寺田寅彦(物理学者)の言葉です。

 3年生は、卒業式を3月15日に控え、学校生活も残り少なくなってきましたが、理科の学習や実験・実習が忘れ去られることのないようにしたいものです。

 (理科担当)

 

理科 「ミナミヌマエビの参入」 (R4.3.8)

 

 メダカの水槽に新参者として「ミナミヌマエビ」が加わることになった。

 3月4日(金)に2~3cmのミナミヌマエビ50匹が栃木県を出発して、6日(日)に無事札幌に到着した。長旅だったが、新しい容器に移して新鮮なエアを注入すると全員元気に動きまわっていた。メダカの水槽に放すと、さっそく水槽の掃除に取りかかっていた。

 顕微鏡で観察するとメダカと同じように「色素胞」が確認できた。これを使って水槽にマッチした色調に衣替えをするのだから、オシャレといえばオシャレともいえる。

 

   新しい環境で少々馴らし運転       メダカ水槽の大掃除

 (理科担当)

 

理科 「イシクラゲ」 (R4.3.7)

 

 乾燥状態(仮死状態で生存)のイシクラゲ(ネンジュモ属に属する陸生藍藻の1種)を水に30分ほど浸したものを顕微鏡で観察すると、教科書や図録でよくみる、あの数珠つながりなった細胞糸が視野全体に浮き上がってきた。こうした細菌の炭酸同化や窒素固定の仕組みの中には、進化の歴史を紐解くヒントが隠されている。    

 実験観察の後は、普段、使っていないメダカ水槽の外部濾過器あたりで、しばらく様子をみることにした。

(理科担当)        

 

理科 「中和滴定の実験 -ロコ・ソラーレのように-」 (R4.3.2)

 

 化学の実験といえば『中和滴定』といっても過言ではありません。その理由を改めて考えると「そこには化学の基礎となる理論や実験技術が豊富に含まれているから」と表現することができます。

 

 今日は、2年生の「化学基礎」で、水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの混合物を、2種類の指示薬を用いて、塩酸で滴定するという実験を行いました。4つの色調を見極めて、連続して2段階の滴定操作を行うので、慎重さとともに大胆さも必要となります。オリンピックは勿論ですが、化学においても、心のバランスを保ち、いかにして健やかに実験に取り組むか、「メンタル」が大事になってきます。

(理科担当)

 

理科 「メダカ飼育の極意」 (R4.2.3)

 

 理科室の水槽には、インターネットで購入したメダカの卵から育てた末裔が、まるでニシンのように群れ泳いでいる。

 観賞用の水槽と違って、オブジェも水草も地味で、エアポンプは動いてはいるが、フィルター交換も水替えもめったにやらないので、摩周湖のような透明感もない。

 窓辺に置いているので、四季折々で、濃い緑に覆われ中が見えなくなることもあれば、どこからか紛れ込んだサカマキガイが異常に繁殖することもある。

 それでもこの水槽の中を顕微鏡で眺めてみると、様々な小さな命がうごめいていて、生命と生態系の神秘を感じさせてくれる。

窓辺で繁茂する浮き草やオオカナダモ  人が近づくと餌を求めて集まるメダカたち

 

 今日も生徒がメダカに餌やりするところから授業が始まる。

                                                 (理科担当)

理科 「寒天培地」 (R4.2.1~3)

 

   コロナ対策で、毎日、手指の消毒を何度も行っていますが、普段、この手指には、様々な菌が常在し、また、様々な通過菌によって汚染されています。

 そこで、手を洗う前と洗った後で、どれくらい違いがあるのか調べるために、その前後で、寒天培地に指を押し当てて、37℃のインキュベーターで、数日、培養することにしました。

 

   手洗いの前の指からは、ほんのわずかに細菌らしきものが観察されましたが、どれもそれほど汚れていませんでした。

 手洗い前といっても、学校では、一日に何度も手指の消毒をしているので、想像したほど手指は汚れていないようでした。この先も手指の消毒をしっかり行って、コロナに感染しないように心がけていきたいものです。

 

                                                                            (理科担当)

 

理科 「ピーナッツオイル」 (R4.1.25)

 

 季節柄、スーパーの店先に節分の豆が並んでいたので、ソックスレーの抽出器をセットして、ヘキサンを溶媒に用いてピーナッツオイルを抽出することにしました。

 

  理科室は共用施設なので、連続運転はできませんでしたが、1時間ほどでピーナッツの香りがする溶液が得られました。そこで、これをナス型フラスコに移して、ロータリーエバポレーターで減圧しながら、ウォーターバスで溶液を温めることでヘキサンを飛ばすと、10mLほどのピーナッツオイルを抽出することができました。

 次は、このオイルを使って何をするか、思案中です。

                                    (理科担当)

 

理科 「Marangoni効果」 -ワインの涙-  (R4.1.20)

 

 水にエタノールを加えて、食紅で色付けしてつくった擬ワインをビーカーに入れ、ワイングラスのように回して、内壁をぬらすと、やがて「ワインの涙」が流れ落ち出すのを観察することができました。

 

 その後は、バットに水を入れて、発泡スチロースで作った小さなボートを並べて、洗剤を1滴おとして、ボートを急発進させました。

 いずれも表面張力が関係するMarangoni効果の簡単な例ですが、観察力と何故だろうという探究心が理科では大切なことがよくわかります。

(理科担当)

  

鹿の脚の観察(R3.12.23)

  

 家庭科の先生のご紹介で、ジビエの鹿の脚を頂くことができたので、理科の授業で観察することにしました。

 

 手で持ち上げると、ヒトの膝のようなあたりが逆に曲がりますが、これは犬などと同じように、足指部、中足部、そして踵部とあり、この曲がるところがヒトの足首、踵に相当することがよくわかりました。

 また、つま先には2本のしっかりした蹄(中指と薬指)があって、裏返すと地面に足跡を残さない2つの副蹄(小さな人差し指と小指)があり、蹄が全部で4つ、偶数であることが確認できました。

 蹄の下の部分、蹄底を触ると、まるで猫の肉球のようなポニョポニョしたさわり心地を楽しむこともできました。

実物に触れることの大切さを改めて実感する時間となりました。

(理科担当) 

  

3年 科学と人間生活(R3.12.23)

「分子や原子の大きさを実験で求めてみました」

 

 理科「科学と人間生活」の課題研究の一つを授業公開しました。

  直鎖アルコールを天秤で1モルずつはかりとり、メスシリンダーに入れてその体積を調べるとモル体積が直線的に増加していきます。このことをヒントに様々な有機液体のモル体積を調べることで、理科室でも、分子や原子の大きさを実験的に求めることができました。

「アボガドロ定数は、マクロからミクロへ、また、ミクロからマクロへとわたしたちをいつでも容易に導いてくれる優れものです。」

                                  (理科担当)

    

3年 理科の実験・実習(R3.12.15)

 

 理科は観察が第一、その基礎を養うために「バナナアート」で『点描』の練習をしました。

全員、はじめての経験でしたが、それぞれが個性を発揮し、とても良い作品ができました。

担任の先生も実力を発揮し、終了後は、美味しく頂きました。

(理科担当)