皆さん、こんにちは。今日は修了式の日です。1年間の締めくくりの日となりました。今年度の最後の校長講話は人生ゲームについてお話しします。

3月1日に8期の6年生が6年間の学びを終えて、卒業していきました。生徒の皆さんも知っていることともいますが、開成の卒業式では、卒業生一人一人がステージの上で、これまでのこと、これからのこと、世話になった方への感謝の言葉など、SELF宣言をしています。一番近いところで聞いている私は、涙は出てくるわ、鼻水が出てくるわ、卒業生全員が話終えるまでの約1時間半、毎回大変な状況になっています。

毎年5月に5年生に実施している「カモンウィーク」では、私も都合のつくときに5年生とお話をしてきました。今年卒業した8期生が5年生だったときにも、何人かとお話しましたが、その中の一人がボードゲームの「人生ゲーム」をもってきて、校長室で2人でゲームをしながらいろいろな話をしたのを今でも覚えています。

この人生ゲームは、私が子どものころにやったものと同じく、ゴールの時点で一番お金持ちになった人が勝ちというものでしたが、人生ゲームを販売している会社のホームページを見ると、人生ゲームにはいくつかの種類があり、「人生ゲームゴールデンドリーム」「大逆転人生ゲーム」などといったものがありました。しかし、そのほとんどは億万長者になることをも目指すものです。

昨年の勤労感謝の日に、新しい人生ゲームが発売されました。その名も「100年人生ゲーム」です。この「100年人生ゲーム」は、従来のお金を集めて億万長者を目指す通常の人生ゲームとは異なり、幸福を点数化したウェルビーイングポイントを集め、幸せな100年人生を疑似体験するゲームです。

ゲームの内容は、20歳の誕生日に、人生の何に価値観を置くかを選択し、その後、止まったマスのウェルビーイングポイントを獲得したり失ったりしながら、100歳の誕生日に一番ウェルビーイングポイントが高い人が勝ちというものです。

ある企業では、この100年人生ゲームを使用し、企業や組織の中で、どのように自分の人生の幸福につなげていくかを見直し、従業員一人一人が自身の価値観にしたがって働けるようになることで、企業の生産性向上を図るということを目的に「、100年人生の働き方」に関する研修を行っているそうです。

「100年人生ゲーム」が発売されたのは勤労感謝の日ですが、1948年に制定された勤労感謝者の日ですが、厚生労働省の調査では、当時の平均寿命は男性で55.6歳、女性で59.4歳でした。2021年4月には、法律が改正され、70歳までの就業確保が企業の努力義務とされています。

社会が大きく変化していく中で、社会の価値観も変化してきています。ある調査では、労働者に今大切なものという質問をしたところ、健康的な生活が1位になり、続いて、家族との生活、おいしい食事と続き、仕事は6番目であったとのことです。「自分の生活の中で仕事を一番に優先する」と答えたひとは、全体の2割強であったとの結果も出ています。

私が教員になった年、テレビのコマーシャルで「24時間戦えますか」というものがありました。次の年の流行語部門の銅賞になりましたが、今では考えられないものですが、当時は「働け働け」という社会でした。

あれから月日は経ち、いろいろなものが劇的に変わり、社会そのものも大きく変わりました。大人の働き方に関する意識もそうですし、皆さんが学んでいる開成の今の学びも少し前までは考えられない学びです。

未来がどのようになっていくのか。皆さんには、今後もたくさんのことを学び、既成の概念や前例にとらわれることなく、自由な発想で未来への道を進んでほしいと願っています。

 

令和7年(2025年)3月24

校 長  宮 田 佳 幸

 

【感謝】  いつも本校のホームページ並びに「校長室の窓」をご覧いただき感謝申し上げます。このたび、転勤を命じられ、3月をもって本校から異動することとなりました。これまで、本校の学びの様子や日頃感じたことなどを文章にまとめてきましたが、私からの投稿は本稿をもって終わりになります。4年間、お付き合いいただきありがとうございました。感謝。