「光陰矢の如し」とはよく言ったもので、あっという間に、今年最後の授業日となりました。今日は6年生にとっても、本校で学んだ6年間の最後の授業日でもありました。本当に時の経つのは早いですね。

 今日は、午前に2セッション分の授業を行い、午後は清掃と全校集会、そして臨時の生徒総会を行いました。全校集会は大変短い時間でしたので、多くのことをお話できませんでしたが、6年次生へのエール、1年生から5年次生へのエールを、次のように送りました。

 皆さん、こんにちは。校長の宮田です。

 早いもので、今年最後の授業日となりました。6年生にとっては、今日は開成で授業を受ける最後の日となり、1年生から6年生がそろう最後の日でもありました。そのような日にあたり、今日は「雲外に蒼天あり」という話をしたいと思います。

 お寺の掲示板をふと見たときに、その深い言葉に感銘を受けたことがある人もいるのではないでしょうか。そのお寺の掲示板に、「雲外に蒼天あり」と書かれていました。「雲を突き抜ければ、青空が広がる」と書かれており、手洗い・マスク・外出自粛、今日の辛抱がきっと明日につながると書かれていました。この言葉を生徒の皆さんへ送りたいと思います。

 これから受検に向かう6年生へ。雲外に蒼天あり。難しい状況にあっても、努力を続けていれば必ず状況は好転する。最後まで頑張れ。5年生以下のみんなへ。雲外に蒼天あり。前に進まないことがあって気にするな。その努力は必ず報われる。努力を怠るな。

 今年もあとわずかです。メリークリスマス。そしてよいお年を。

 さて、冒頭で時間の経つのは早いと言いましたが、特に年をとるほど時間が経つのが早いと感じます。そのように感じる方も多いのではないでしょうか。

 19世紀のフランスの哲学者ポール・ジャネーが「人生のある時期に感じる時間の長さは年齢の逆数に比例する」という「ジャネーの法則」を提唱しました。これは、1歳の子どもが1年間に感じる時間の長さを1としたときに、2歳の子どもが2歳までの1年間に感じる時間の長さは人生の1/2になり、50歳の大人は50歳までの1年間に感じる時間の長さは人生の1/50になるというものです。人生100年としたときに、100年間に感じる時間の長さは数式にすると以下のようになります。

 これは、100年生きたとき、その感覚的な時間の長さは1歳までのその時間の長さのたったの数倍にしかならないという結果になりましたが、「えー、そんなに短いのか?」という感じになってしまいました。

 今回の計算は現実的な感覚とは異なるものになりましたが、昨今、学んでいる数学を実際と結びつけて考えることが大切になってきており、大学入試ではそのような問題も増えてきています。

 *後半にある数学部分については、先日行われた本校の島本先生(数学)と井上先生(科学)の学際的な授業を見学し、刺激を受け、REPOLOGというサイトを参照して、数学を使って時間を考えてみました。

令和4年(2022年)12月22日

校長  宮田 佳幸