利他の心・・・前期終業式校長講話
皆さん、おはようございます。
前期、お疲れ様でした。今年度も半分が終わりましたが、昨年度と比べて、ずいぶんといろいろなことが緩和され、学校でも体育大会、学校祭の開成WEEKや、SSHに関する研修、PT会の公開講座、外部からの学校視察なども行うことができました。コロナ陽性者は減少傾向ですが、今後も気を緩めず感染防止対策をしっかりして行動してほしいと思います。
さて、前期終業式の話として、今回は「利他の心」という話をしたいと思います。なぜ、この「利他の心」を話そうと思ったかというと、2週間前になりますが、9月の最初の3連休に、グローバルリーダー育成オータムキャンプが行われました。これは、札幌市立高校の学校間連携プログラムとして実施されているもので、開成の生徒も参加したプログラムです。3日間のキャンプでしたが、私もその一部を視察しました。ちょうどジンバブエからのオンラインによる中継で、現地の講師の方から様々なお話があり、そして1つの問いが与えられました。「自国ファーストに賛成か反対か」というものです。この問いに対する参加した生徒の考えを聞いていたときに、「利他の心」を思い出しました。
今年の8月に稲盛和夫さんという方がお亡くなりになりました。稲盛和夫と聞いて思い出す人はあまりいないと思いますが、京セラの創業者といえばピンとくる人もいるかもしれません。また、この方は当時の第二電電、現在のKDDIの創業者でもあります。さらに、その経営手腕を見込まれて、経営破綻した日本航空JALを再建した人でもあります。その稲盛和夫さんが常日頃から大切にしていたのがこの「利他の心」です。「利他の心」とは何か?稲盛和夫オフィシャルサイトには、このように記載されています。
私たちの心には、「自分だけが良ければいい」と考える利己の心と、「自分を犠牲にして他の人を助けよう」とする利他の心があります。利己の心で判断すると、自分のことしか考えていないので、誰の協力も得られません。自分中心ですから視野も狭くなり、間違った判断をしてしまいます。
一方、利他の心で判断すると「人によかれ」という心ですから、まわりの人みんなが協力してくれます。また、視野も広くなるので、正しい判断ができるのです。より良い仕事をしていくためには、自分だけのことを考えて判断するのではなく、まわりの人のことを考え、思いやりにみちた「利他の心」に立って判断すべきです。
このように言っています。人によかれと考えて行動することは実は難しいことです。自分が犠牲になることが含まれてくるとなおさら難しい。
「情けは人のためならず」ということわざがあります。「人に情けを掛けて助けてやることは結局その人のためにならない」と考えるのは実は誤答です。正しくは、「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」という意味です。私の経験からですが、これまで長く生きてきて、自分のその行動が結局最後には自分に返ってくることが多いと感じます。よいことをすれば、最終的にそれが自分に返ってくるし、自分中心の行動をすれば、自分に不利益なこととして還ってくることが多かったと思います。誠実に考えて行動することが何よりも大切だと思っています。
「利他の心」という話でした。皆さんはどう考えますか?
今日で前期が終了します。本来であれば、今日は真駒内から定山渓ダムまでの全校強歩でしたが、残念ながら、コース上や付近でのクマの目撃情報が多く、安全上やむなく中止となりました。
土日を挟んで、月曜日から後期が始まりますが、季節は秋から冬になっていき、だんだんと寒さが厳しくなっていきます。風邪をひきやすい季節。コロナの陽性者が減少傾向ですが、防寒対策を含めしっかりと感染防止対策をしてほしいと思います。