本日、新たに市立札幌開成中等教育学校の仲間入りをした十一期生の皆さん、入学おめでとうございます。全ての在校生と教職員を代表して、皆さんの入学を心から歓迎いたします。また、保護者の皆様におかれましては、お子様の本校への御入学、本当におめでとうございます。

さて、新入生の皆さんは、これから本校での六年間の学びが始まりますが、入学にあたり三つのことについてお話ししたいと思います。

一つ目です。開成中等教育学校での学びの主役は生徒の皆さんです。先生方はそんな皆さんの背中を押して応援します。だから、いろいろなことに積極的に挑戦してほしいと思います。時にはうまくいかなかったり失敗したりするかもしれませんし、失敗したらどうしようとやる前からしり込みしてしまうかもしれません。失敗は大いに結構、たくさん失敗をしてください。大切なことは、失敗したらそこから学ぶということです。失敗を恐れず、いろんなことにチャレンジをしてください。

二つ目です。本校では探究することを大切にしています。これまで皆さんは「なぜ?」と思ったことがたくさんあると思います。そう思ったとき、どうしていましたか。本校では、自分が興味をもった内容に対して、じっくり向き合ったり、友達と話し合ったりしながら、その「なぜ」を解決していきます。大切なのは、自分で、どのような課題に挑戦し、どう取り組んでいくかということを決め、その課題の解決に必要な学ぶ力を自分で身に付けることです。

三つ目です。開成の学校教育目標は「わたし、アナタ、min-na そのすがたがうれしい」です。新型コロナウイルス感染症などにより、日本と世界との人や物などの流れが停滞していますが、今後再びその流れが戻ってきます。その時には、皆さんの学ぶフィールドは、学校や地域、日本の中だけではなく、世界です。そのような時、これまでと異なる考え方に驚くとおもいますが、それを調整や折り合いをつけて、自分と違う存在の意味を理解し受け入れていくことが大切です。開成の学校教育目標「わたし、アナタ、min-na そのすがたがうれしい」にはそのような思いが込められています。

  改めまして、保護者の皆様、お子様の御入学、本当におめでとうございます。本校は、国際標準の教育プログラムである国際バカロレアIB、先進的な理数教育や国際性を育む取組を行うスーパーサイエンスハイスクールSSH、物事を自分ごと化し主体性を育む本校独自の教育理念SELFの三つを柱として、課題探究的な学習を推進しています。在学中、子どもたちは様々ことを経験します。先ほども申しましたように、失敗もたくさんすると思います。どうぞ、温かくお子様を見守っていただければと思います。

また、本校では、私たち教職員も学習者として研鑽に努め、お子様の六年間の成長に資するよう努力を重ねてまいりたいと考えております。保護者の皆様におかれましても、是非、私たちと一緒に学びを楽しみながら、お子様が安心して六年間じっくりと課題探究的な学習に向き合うことができる環境づくりに御協力をお願い申し上げます。

結びになりますが、新入生の皆さんの、これから始まる本校での学校生活が、未来を切り拓く充実した六年間になることを願い、入学式の式辞といたします。

 

令和年四月八日 

市立札幌開成中等教育学校 校長 宮田 佳幸