つなぐ会議

 昨年、3年ぶりに開催されました北海道マラソンに出場しました。制限時間が従来よりも1時間長くなりましたが、長くなった1時間分、自分のタイムも遅くなり、練習不足がはっきりと表れた結果となりました。50歳も後半になると、気持ちは若い時のままですが、体がついていかなくなってきました。

 昨年の北海道マラソンでは、給水ボランティアとして本校の生徒も多数参加しており、彼らが活躍する給水地点までは頑張ろうという気持ちで走りましたが、彼らに声掛けした後は足が止まってしまいました。ゴールははるかかなたではありましたが、大迫選手が走った北大構内のオリンピックコースに入るとなぜか力がもどり、大通公園のゴールゲートを笑顔で駆け抜けていました。毎回そうですが、走っているときはつらくなってくるともう走らないとネガティブに考えてしまいますが、ゴールをするとなぜかまた走りたいという気持ちになってしまいます。この北海道マラソンのコースは私が住んでいる町内会のエリアを通っており、さらに給水地点にもなっているため、毎年、町内会で給水ボランティアを行っています。前回の2019年の大会では、走らずに給水ボランティアとしてテーブルへの水出しに精を出しておりました。走ったりボランティアをしたりと交互に楽しんでいます。

 さて、札幌市のホームページによると、202311日現在、全市の町内会・自治会への加入率は69.40%で、ホームページで確認できる資料では、昭和64年1月1日現在の加入率が83.01%で、微増の年がありますが、加入率は減少傾向をたどっており、活動の担い手不足や高齢化が進んでいるようです。

 札幌市自治推進課から出されている「町内会・自治会に関するアンケート調査結果報告書」(令和23月)には、様々なアンケート結果が記されていますが、その中に「活動の担い手を獲得するための方策」として、「地域での意識啓発」47.4%、「町内会活動の情報発信」43.5%、「市による町内会の重要性の啓発」41.4%が4割以上となっており、「他団体との連携(学校、若者・大学生、企業、NPOなど)」は9.4%となっております。

 本校は元町まちづくり連合会(以下、「連合会」という。)のエリアに所在しておりますが、連合会では、「元町まちづくりビジョン」を令和23月に改定し、その推進に向けて、「連合会を構成している町内会・自治会、福祉関連団体等、児童会館・児童クラブ、学校などが十分に連携を図り、特に、近年、地域内の小中高生のまちづくり活動に対する意識が高まっていることから、学校等との連携を強化していきます」と記されています。その取組の中にも、中高生が主体的に取り組む地域活動のための体制づくり、具体的には、中高生等で構成するまちづくり活動実行組織の設置などが盛り込まれています。

 連合会では、地元の元町会館において、年3回「つなぐ会議」と題して、本校の生徒だけではなく、元町中学校や札幌中学校の生徒をはじめ、地域の中学校を卒業した高校生などが中心となって、地域の活性化に取り組んでいます。昨年度も、防災マルシェや夏休みイベント、ハロウィン運動会などを企画し、実際に運営等にも関わりました。

 私も何度かこの会議での本校生徒の様子を見ていますが、これまでの学校生活で身に付けたスキルを使って話合いを進めています。その姿を見ていると、IBの教育プログラムは狭義の学習にとらわれず、広く将来にわたるスキルの獲得によってこのように花が開いていくのかと実感せずにはおられません。グローバルな視野をもって身近なことから行動する「Think globally , act locally」 を正に実践している姿がそこにありました。

 

令和5年(2023年)4月26日

  校 長  宮 田 佳 幸