12月7日(水)、本校卒業生で「NPO法人手と手 就労支援センター しずく」で勤務されている木明遥さんをお迎えし、講師に講演会を実施しました。木明さんは重度の障がいがありますが、事業所では主任としてパソコンを使ってスタッフの勤務シフトの割り振りや外部との交渉など重要な業務を担っておられます。
 今回は「アソビの究極化」というテーマでご講演いただきました。木明さんは小さいころからアニメやパソコンが好きで、好きなこと、楽しいと思う「アソビ」が、なぜそうなのか、さらに楽しくなるにはどうしたらよいか、という「マナビ」へ、そして学んだことが「シゴト」という形で現在に結びついている、と話していただきました。楽しいと思うことから踏み出す「探究する一歩」、出来ない、ではなく「やってみようとする一歩」がその後の人生の大きな差になる。このことが今回の講演テーマの趣旨だったと言えます。
 現在木明さんは、公的な支援のほかに札幌市のPA(パーソナルアシスタンス)制度を活用し、旅行したり、趣味を充実させたりするなど一人暮らしを満喫されています。パソコンでの作曲や作図、3Dプリンターでのモノ作りを通してより多くの人と出会い、新しい世界をさらに広げられています。そのために欠かせないのがコミュニケーションの力であるとのことです。それは決して特別な力ではなく、日常のあいさつや会話から生まれると話されていました。
 保護者の皆様からはさまざまな支援の内容や日常の生活について、児童生徒からは仕事や趣味についての質問がありました。宗石健太郎校長から「先輩から直接話を聞くことができた有意義な時間だった。」と謝辞があり、講演会を終了しました。
 校舎内で対面での講演会を予定していましたが、感染拡大の時期と重なり残念ながらオンラインでの実施となりました。
 木明さん、ご講演いただきありがとうございました。