校長のひとり言(9月第4週)「本質を大切にする開成高校の伝統に学ぶ」
9月25日木曜日
午前中、上田市長、井上副市長、山中教育委員長、臼井教育委員が視察に訪れました。市長は、開放感溢れる新校舎もさることながら、開成高校の授業の内容や生徒の姿に興味津々で、コズモサイエンス科1年生の教室に入り、ネイティブスピーカー(外国人)の先生と日本人の先生による少人数のオールイングリッシュの授業を興味深く参観されました。
開成中等教育学校では、中1の段階からネイティブスピーカーの先生によるオールイングリッシュの英語の授業を取り入れる予定です。7月末には、ネイティブスピーカーの先生が開校準備スタッフの一員として加わり、現在、着々とその準備に取り掛かっています。
午後からは、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の取組の一つである「コズモキッズセミナー」が開成高校で開催されました。この取組は、隣の開成小学校の5、6年生が開成高校を訪れ、先生役の高校生から理科・数学・英語の授業を受けるというものです。小学生の元気な声に誘われ、私も幾つかの授業を参観。高校生が小学生にも分かるようにと、それぞれに工夫した教材を使って一生懸命に授業を行い、それに目を輝かせてうれしそうに反応していた小学生の姿に、異年齢の学び合いの神髄を見ました。
中等教育学校である本校の場合、日常的に中学生と高校生が学び合うことができる環境があります。本校では、異年齢が学び合う取組を積極的に進めていきたいと考えており、中学生にとっては、かなりエキサイティングな学びの場になることと思います。
9月26日金曜日
開成高校は昭和37年4月に開校しましたが、その当時の様子を知りたいと思い、10周年記念誌に目を通していたところ、素敵な一節を発見しました。
表題は「校旗入魂式」。「待望の校旗入魂式は昭和38年11月22日に行われた。(中略)学校の基礎固めもほぼでき上がり、生徒会やPT会を初めとし校旗を迎える状況が整うまで、待つことにしたのである。入魂式は3時間授業のあと4校時に行われた。目にしみるような鮮やかな校旗を前にして、坂井校長は、(中略)最後に入魂式を挙行したこの日をもって、本校の開校記念日とすると宣言した。」
この一節からは、時間に追われて、ただ単に見た目の形を整えるのではなく、生徒・保護者・教職員が一体となって、確固とした理念に基づく教育活動が展開できるような土台作りを大切にしていた当時の状況が偲ばれます。名実ともに土台が出来上がったと自信をもって宣言できる日まで真の「開校」を待ち続けた姿勢に、初代校長の強い信念を感じました。まさに、「これぞ開成!」。改めて、開成中等教育学校でも、このような本質を大切にする姿勢をしっかりと引き継いでいきたいと思いました。