ピンチの裏側 ・・・ 6年生最終登校(12月23日)に関わる校長挨拶
皆さん、こんにちは。校長の宮田です。
早いもので、今年最後の授業日となりました。昨年に引き続き、コロナ禍の中での1年となり、今年も、私たちは様々なことが制限された中での生活を余儀なくされました。テレビのニュースを見れば、アナウンサーの第一声は「今日の感染者数は」から始まり、昨年来、コロナ関係の話題を聞かない日がないほど、コロナコロナコロナの日々が続きました。皆さんの中には、これをしたかった、あれをしたかったということもあったかもしれません。学校の中でも、授業や行事、部活動など、もっとこうしたかったということもあったかもしれません。マイナスの要素が大きくはありましたが、その中にもこのことを前向きにとらえて、様々な事業を起こした人たちがいます。
日本経済新聞によると、アメリカの政府の統計で、2020年の新規事業の立ち上げの申請件数は過去最高水準を記録したとの記載がありました。この要因はいくつかあります。もちろん、政府の補助金を利用することができたりということも起業の一因だと思いますが、多くは、社会的な課題を、新しいアイデアで解決していく、という傾向が高まっているとのことです。ピンチをピンチと考えるか、ピンチをチャンスと考えるかで、人の意識や行動は変わっていきます。先のアメリカの例はまさにそのことを示しているのではないでしょうか。
さて、6年生の皆さん。開成での正式な学びの授業日も今日が最後になりました。6年間という長い期間の中で、大きな山や壁がたくさんあったかと思います。皆さんはその試練を乗り越え、今日を迎えました。そして、一人一人が開成中等教育学校の歴史に新たなページを刻んでくれました。ありがとうございました。これから受験を迎える6年生には、ぜひ、最後の最後まで努力を惜しまず、駆け抜けてほしいと思います。そして、1年生から5年生の皆さん。コロナ禍に負けない強い信念をもち、逆境を力に変えて、日々精進してほしいと思います。そして、先輩の後につづいて、開成の歴史を作ってほしいと思います。
最後に、私の好きな詩を紹介して終わりにしたいと思います。私は、現在の開成中等教育学校の前身である開成高校に勤めていた時代、野球部の顧問をしていました。そのときに、九州の公立高校である佐賀北高校が夏の甲子園で全国優勝しました。佐賀北高校の野球部の部室には、詩人の山本よしきさんの「ピンチの裏側」が貼ってあり、選手のよりどころとなっていると、当時は大変な話題になりました。