中学部の3年生では、理科の授業で「環境」分野の大気汚染の一環として「酸性雨」「酸性雪」の学習をしました。

「酸性雨」が硫黄酸化物や窒素酸化物の溶け込んだpH5.6以下の雨であることを知り、「自分たちにとって身近な雪は酸性雪なのではないか」との疑問の下、pHに応じて色が変わるいろいろな指示薬を用いて、学校近辺の雪の性質を調べてみることにしました。

 測定場所は、①ほぼ人がはいらない「学校屋上」、②身近な「学校入り口」、③近隣の大きな道路わき「北一条通」、④通りがかったことのある「お蕎麦屋さんの近く」の4か所を設定しました。

予想では「酸性雪であるだけでなく、人通りの多い北一条通や、身近な学校入り口は車の排気ガスによって酸性が高いのではないか」と考えていたところ、いざ指示薬を滴定すると、結果は学校屋上、お蕎麦屋さんの近く、学校入口、北一条通の順で酸性が強かったことがわかりました。

 屋上の雪の酸性が強かったことから、身近な雪は酸性を示していることがわかりましたが、このような結果から、弱い酸性を示した「学校入口」「北一条通」に共通点はないか、と考えたところ「この2か所は路面の雪が少ない」ということに気づくことができ、融雪剤として使われる塩化カルシウムの水溶液にBTB溶液を滴定するとアルカリ性を示すことを確認することができました。自分たちの採取した雪はおそらく、融雪剤が混ざっていたと考え、指示薬による性質の確認だけでは酸性雪かどうかを読み解くことはできませんでしたが、身近な地域で雪と共生するための手段、環境の汚染度合い、バギーにのって雪の上を進むことの難しさ、など、札幌ならではの学習体験をすることができました。