長井教諭が令和7年度札幌市教育実践功績表彰を受賞しました
長井翔教諭が令和7年度札幌市教育実践功績表彰を受賞しました
「札幌市教育実践功績表彰」とは札幌市の学校教育の振興発展に貢献し、その功績が顕著な市立学校関係職員及び市立学校が表彰されるものです。
この度、長井先生は以下の功績を称えられ、受賞する運びとなりました。
グラデュエーション・ポリシー「MOIWA5Bs」の策定を含む教育理念の再構築において中心的役割を果たし、「総合的な探究の時間」の制度設計、校務運営の刷新、単位制の導入と実践等の取組を通して、学校運営の基盤づくりを推進した。教育の継続性と発展性を見据えた構想力と実行力は、他校にとっても先進的なモデルとなり、全国からの多数の視察の受け入れに結び付いている。
また、自校の活動のみならず、市立高校学校間連携指定事業「まなびまくり社」の立ち上げから関わり、学校・地域・行政・大学が連携する学びのネットワークづくりに貢献しており、全市立高校・中等教育学校からの計50名を超える生徒の活動を実現している。
市立高等学校進路学習推進委員会主催の「進路探究セミナー」ではプロデューサーを務め、参集型開催の刷新を主導している。「つながり」や「冒険の一歩」をテーマとした参加型・対話型プログラムを設計し、高校生活と進路探究の意義を体感できる構成とすることで、多くの高校1年生にとって挑戦への後押しとなるきっかけを生み出している。

そこで、長井先生に受賞のインタビューをしました。
1.受賞の感想
個人での受賞となりましたが、学校としていただいた表彰だと思っています。札幌市の教育に少しでも貢献することができているのであれば、様々なことをやり抜いてきて良かったなというのが率直な感想です。
2.思い出に残っていること
「理念」を学校全体で作り上げたことが思い出に残っています。
私は2017年度に藻岩高校に転勤して学校改革のメンバーになりましたが、当時の藻岩高校はそれまでの伝統を非常に重んじていた学校でした。もちろんその良さもあったのですが、逆に言えば「文武両道」といった伝統だけが特徴的で、その他の特色を打ち出すことができておらず、学校として改革が求められる状況にありました。旧来の価値観と新しい価値観がバッティングする中での学校改革ということもあり、改革メンバーとして頭を悩ませる日々を送っていました。
様々な逆風の中で葛藤しながらも、すでに革新的な取り組みをなさっていた先生方と力を合わせることによって、3年ほど経ってようやく藻岩高校の改革が教職員・生徒・保護者・地域の方々に浸透していった実感があります。また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってパラダイムシフトが起きたこともあり、何かを変えることに対する抵抗感が減っていったこともあると思います。
もちろん、新たなことに取り組もうとすると一定の批判をいただくこともあります。その時、私はその取り組みの“必要性”を追い求めようと心掛けていました。学校として良いと思われることをやっていれば、結果は自然とついてくるはずです。「良いことを、良いと言う」のが自分の責務だと考え、職務に従事してきたつもりです。
このような学校改革の中で、制度を構築するよりも前の段階で「何のためにやるのか」「目指す生徒像は何か」という“理念=共通理解”を学校全体で作り上げていったことが思い出に残っています。
3.MOIWA5Bsで一番好きな力は?
「試そうとする力」が好きです。MOIWA5Bsを作り上げていく時に、英語科の野田先生とそれぞれの力に該当する英単語を充てていきましたが、その時に考えた「試そうとする力」の英単語は“リスクテイカー”というものでした。当時の教育現場は“リスク”を「失敗」などに繋がる否定的なフレーズとして捉えていましたが、“リスク”は「挑戦」と不可分なものであり、そのよう捉えると“リスク”にもポジティブな要素が含まれるはずだと考え、この言葉を添えることにしました。
私は、失敗があったとしてもそれを失敗だとは捉えない傾向にあります。このようなことからも、「試そうとする力」が一番気に入っています。
4.今後について
市立高校に対する思いとしては、これからも常に面白くあってほしいなと思っています。「市立高校ってなんか面白いことしているよね」と言い続けてもらえるよう、新たなことに挑戦していきたいです。
加えて、市立高校同士の繋がりをもっと大切にしていきたいと思っています。私は藻岩高校という一つの学校に所属しながらも、一教育者として子どもや地域の方と接するイメージを持っています。こうした“繋がり”という視点に立った時、藻岩高校の取り組み、ならびに他校での素晴らしい取り組みは、その他の市立高校でも取り入れることができるものだと思います。そのうえで、「どこでもできるけど、ここだからできること」にこだわって教育をデザインしていきたいと思っています。
5.最後に
周りの方々や環境に恵まれてここまでやってくることができました。校内に仲間がいたのはもちろんですが、教職大学院の教授など心の支えになった方々は大勢いますし、外部からいただいた評価も励みになりました。
自分の手の届く範囲だけで仕事をしていれば、このような賞をいただくことはなかったと思います。自分なりの信念を持って取り組むことができたこと。それを認めていただき、挑戦する場や役割を与えてくださったこと。このように、与えていただいた使命の中で生み出された結果が今回の表彰だと思っているので、ともに歩んでくださった方々への感謝の思いを胸に、これからも市立高校の教育に貢献していきたいと思います。

