チーム名:爻(コウ)

積極的なものと消極的なもの、男性的なものと女性的なものといった事物の対立する二面を象徴する意味があり、「相反するもの」から「生」と「死」をテーマにしている。

「相反する」というテーマから、それぞれが生と死、神と人など掘り下げてデザインに落とし込んでいた。全体的に紙の白を生かしていたが、ポイントに散りばめられた赤や銀色、細かい切り絵など見応えのある作品だった。ウォーキングの際に、それぞれが個性のあるポージングを決めているのも世界観が表現されていて素晴らしい。

  

  

 

 

チーム名:瑞獣奇譚(ずいじゅうきたん)

瑞獣とは、古代中国でこの世の動物の長と考えられる空想上の生き物。神に近い存在。朱雀、玄武、青龍、白虎、霊亀、鳳凰、応龍、麒麟など、それぞれがモチーフとなる瑞獣を決めて服を制作している。

 

瑞獣という、実在しない生物をモチーフにしているため、それぞれが持つ瑞獣へのイメージを深めながら制作していた。モチーフがあるだけに白だけではイメージを表現し切れず、自分で紙を染めるといった工程も必要になった。その分、見ていてもカラフルで形も凝ったものが多く面白い表現だった。

  

  

 

 

チーム名:MOTUS(モータス)

ラテン語で感情や感動といった意味を持つ言葉。8種類の感情「怒り、恐れ、期待、驚き、喜び、悲しみ、信頼、嫌悪」をそれぞれがテーマとして服を制作した。

チームのテーマ画像からもわかるように、それぞれの感情に色を割り当ててあり、その色をメインとして服を制作していた。全体的にかなりカラフルだが、形はそれぞれの違いがありとても面白い。また、登場時は全員が大きな白い紙で上半身を隠しており、その紙をウォーキングの際には翼のように使っているアイデアも素晴らしい。

  

  

 

 

 

 チーム名:カミヒトエ

「紙々の宴」から「紙」という言葉を使ったチーム名としている。また、「カミヒトエ」という言葉の中にある「カミ」と「ヒト」をテーマとし、それぞれが神と人を表現するような服を制作している。

神と人というテーマからか、全体的に紙の白を基調としたデザインが多かったが、それぞれが色味や光、新聞紙といったワンポイントの素材を組み込んでいるのが面白かった。また、ポージングの際にちょっとした仕掛けで服が変わったり、仮面を被ったりと変化を楽しめる表現でもあった。

  

  

 

 

チーム名:albedo(アルベド)

天体の外部からの入射光エネルギーに対する反射光エネルギーの比のことを指す言葉。それぞれが光を意識した服を制作している。

全体的に服として完成度の高い作品が多かったように思う。また、テーマのalbedoから光を反射する素材を使用している服が多く、紙ではあるが煌びやかなイメージにもなっており心が躍る表現だった。ボリューム感をどこに出すかもしっかり練られており、見ていて感心する素晴らしい作品だった。

 

 

大学生の制作した、レベルの高い作品と並べても、どれも遜色のない作品となっていた。少ない時間の中で、どうすればより良いものが作れるのか、自分の作品と真摯に向き合ったことがショー全体から感じ取ることができた。