2021年9月1日(水曜日l)

 今年の夏は暑かった。例年の2倍以上の真夏日で、札幌の連続真夏日は記録が残っているものとしては、97年ぶりに記録更新がなされたようです。そう考えると、札幌でおこなわれた競歩やマラソンは大変だったと思います。9月に入り、日中の気温こそ高いですが、夜は風が涼しく、通勤で使っているJRも上着を着ている人が増え、徐々に秋の訪れを感じられるになりました。
 先週、グローバルコース15期生(現在の3年生)の卒業研究発表会が行われました。昨年までの発表も素晴らしいと思いましたが、今年はその上を行くもので、ビックリさせられました。研究発表会冊子の3年プレゼンテーション担当の3名の先生方の書いた文章を読むと、自分がそう感じた理由がわかりました。確かに今年はパーソナルリサーチを取り入れ、
 Think globally , act locallyという目標の部分で、自分が今何に取り組んでいけばよいのか、今の自分なら実際こういう活動をするといったところまで踏み込んでいました。まさに例年よりもact locallyの部分で優れていました。また、各生徒の疑問に思うところ(テーマ)が実に多彩で興味をひくものが多かったですし、語学力、プレゼンの構成も素晴らしいものでした。将来的に、グローバルコースだけでなく普通コースの生徒も挑戦してみたいですね。
 プレゼンを聞いていると、SDGsについて学び、よく考えているなあと感じました。SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。SDGsには、17の目標があります。(それぞれをイメージしたピクトグラムは省略します)
  1. 貧困をなくそう
  2. 飢餓をゼロに 
  3. すべての人に健康と福祉を
  4. 質の高い教育をみんなに 
  5. ジェンダー平等を実現しよう
  6. 安全な水とトイレを世界中に 
  7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  8. 働きがいも経済成長も 
  9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
  10.人や国の不平等をなくそう 
  11.住み続けられるまちづくりを
  12.つくる責任 つかう責任 
  13.気候変動に具体的な対策を
  14.海の豊かさを守ろう 
  15.陸の豊かさも守ろう 
  16.平和と公正をすべての人に 
  17.パートナーシップで目標を達成しよう
 以上ですが、あとは各自で調べて、探究してみてはいかがでしょうか。私も勉強中ですが、本校の小泉教頭先生は、この取り組みに詳しく、上着の襟にこのバッチがついています。カラフルなので目立ちます。今度注目してください。
 さて、9月は定期考査や大学入試共通テスト願書提出など大切なことが目白押しです。
 ボーっとしていたら、アッという間に過ぎ去ってしまいますよ。
 気合いを入れていけ!清田高校生!!
 

*編集後記 「SDGs」は2015年の国連の採択ですが、エマニュエル・カントの「永遠平和のために」(岩波文庫、宇都宮芳明訳、1985年刊)を読めば、1700年代ににおいて既にSDGsの理念を説いていることに気づきます。端的には、何かをすればそれで平和が担保されるのではなく、平和であり続けようと努力することで平和で居られるというのは、まさに「持続可能性」の考えの気がしてなりません。(上着の主)

 

2021年7月5日(月曜日)

 先月の20日で緊急事態宣言が解除され、まん延防止措置に移行して、2週間が立ちました。報道では札幌市内の感染状況も落ち着いてきており、7月11日でまん延防止措置期間も終了になるのではないかと期待しています。生徒のみなさんも日頃から新型コロナウイルス感染防止によく取り組んでいますが、現在、授業中の活動や部活動、学校祭に向けた活動もかなり制限されているので、7月11日以降の活動を楽しみにしていることだと思います。とくに昨年度は学校祭が出来なかったのですが、今年度は生徒会のみなさんが中心となって時間をかけて何度も企画を立てなおしてくれたおかげで、日程こそ当初と違いますが、学校祭をおこなうことになりました。
 学校祭は、学校ごとの特色があって、実に面白いものです。中学校では合唱コンクールがおこなわれているようですが、高校でおこなっているところは少ないです。中学校と大きく違うのは、模擬店など食品を扱ったりして、経営を学ぶ点でしょうか。また、札幌市のように大都市では地域とのつながりがあまり強くありませんが、地方にある高校では、学校祭は地域のお祭りでもあります。私が最初に赴任した道北のH高校は山車をつくって仮装行列をおこなうのですが(札幌市内も昔は行っていましたが、交通量の大幅増加のため、今はほとんど行なわなくなりました)、駅前や病院前でおこなうパフォーマンスは、それは見事なもので、多くの町民が楽しみにしていました。また、2校目の道南のMS高校では、「よさこい」が行われ、学校のグラウンドだけでなく、近くの大型ショッピングセンター駐車場で披露していました。クラス対抗演劇等、文化的な内容が多かった記憶があります。また、ファイヤーストームもとても印象的でした。
 清田高校の学校祭は、昭和51年度9月3日に初めて行われました。大学入試制度の変更や学期の3学期制から前後期制への移動があったために、今は多くの学校が7月に行っていますが、昔は9月が主流でした。第1回学校祭のテーマが「創造のとき」で、当時の卒業アルバムを見ても、まさに自分達で何かを創り上げる気迫を感じさせてくれます。昭和56年度の第6回清田祭(テーマは「響鳴」)の記録を見ると、3日間にわたって、行燈行列、バザー、展示、紅白歌合戦、部活招待試合、ファイヤーストームが行われていたようです。
 学校祭は、いつの時代も高校生活の中で、最も記憶に残る行事となっています。それは、クラスメートの新たな力を発見したり、協働することの大切さを学んだり、物事を達成する喜びを味あうことが出来るからでしょうか。今年度は、まん延防止措置期間のため、例年よりも準備期間が短くなっています。それを嘆いていてもはじまりません。こういう時こそ、出来る範囲で、みんなで知恵を出し合い、今持っている最大限の力を発揮すべきでしょう。
 今年の学校祭は、これから先の清田高校生の活動の可能性が示されるような気がしています。みなさん、『やってみなはれ』。
 

*編者付記 ソクラテスの友人とされている数学者テアイテトスは、その対話で「実践」について議論しています。編者は古代アテネにおける「やってみなはれ」を見出します。(岩波文庫、2014年改訂版) 

 

2021年5月20日(木曜日)

  今、清田高校の中庭の桜が満開で、とても美しい。本校の30周年記念誌をみると、平成7年のページに、第19回卒業生一同・創立20周年記念会による八重桜・ニオイヒバ記念植樹の写真が載せられています。あれから25年あまりとなりますが、中庭の桜は本校生の心を癒し、励まし続けてくれています。
 北海道で見られる桜は主に6種類で、ソメイヨシノ、エゾヤマザクラ、チシマザクラ、シダレザクラ、ヤエザクラ(サトザクラ)、カスミサクラといわれていますが、本校の桜はヤエザクラです。ヤエザクラの特徴は開花時期が他種より遅く、大柄でピンク(白もある)の八重咲で、華やかなところです。日本人に桜が好きな人が多いのは、長い冬の後、新たな生活をスタートさせる春に咲く花であり、その花の容姿や散り際から、美しさ、可憐さ、はかなさを感じさせるからでしょうか。
また、桜をテーマにした曲も森山直太朗さんの「さくら(独唱)」、ケツメイシさんの「さくら」、コブクロさんの「桜」、福山雅治さんの「桜坂」など挙げていけばキリがないぐらい数多く存在しています。いずれも名曲で、つい口ずさみたくなります。こういうところも日本人の多くが、桜が好きであることの表れでしょうか。
 日本国内には数多くの桜の名所がありますが、海外にもいくつも存在します。札幌市は1958年にポートランド市(アメリカ)と姉妹都市として提携していますが、そのポートランド市にも素晴らしい桜が存在しています。ポートランド市には、毎年、札幌市立8校から希望者を募り、国際プラザ等で数回の研修を受けた後、3月に海外研修として派遣がおこなわれています。(例年、6月には逆にポートランド生の受入れがおこなわれています。)生徒たちは行く前に自分の課題に対する仮説を立て、現地でリサーチ等して検証し、帰国後、プレゼンをするのですが、その成長ぶりには誰もが驚かされます。ただ、昨年度からのコロナ禍のため、生徒にとって、こういう有意義な機会が失われていることは残念でありません。特にグローバルコースを持ち、国際的な視野で自立した札幌人を育成する本校では、様々な海外研修(オーストラリア語学研修、カンボジアボランティア研修)や韓国北三高校との交流(訪問、受入れ)などをおこなうことも難しい状況です。しかし、このような中でも、何とか生徒たちの国際的視野を広げることができないかと校長として考える毎日です。
 

*編者付記 清田高校の桜は遅咲きなので時差を愉しんでいますが、市内に桜が咲き始めた頃、たまたま高校生が参加するオンラインセミナー(本校グローバルコース3年生も2人参加)の講師を担当したのですが、そこに神戸の高校生が参加していました。神戸ではとっくに終わったという桜も札幌ではこれから咲くという話に神戸の高校生は心底驚いており、日本の四季の移ろいを実感しました。感染症の制限がなければ桜を追いかけて全国を旅するという「車寅次郎」のような季節の愛で方に憧れます。

  

2021年2月18日(木曜日)

 2月もはや、半ばを過ぎてしまい、あと2週間もしないうちに、3年生が卒業式を迎える時期になりました。今年も昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症防止のため、卒業式は卒業生・教職員・送辞の在校生のみで行うことになりました。来賓をお招きし、保護者の方々とともに卒業生の旅立ちを祝いたかったのですが、ソーシャルディスタンス確保と本校の施設設備の都合から、やむを得ないと判断しました。大変申し訳ございません。卒業式の映像は配信されますので、ご面倒ですが、それを見ていただければ幸いです。
 卒業式は文部科学省の学習指導要領では、特別活動の学校行事のうち、学校生活に有意義な変化や折り目を付け、厳粛で清新な気分を味わい、新しい生活の展開への動機付けとなるようにする儀式的行事となっています。各校では、その目的に沿って、伝統を引き継ぎながら式を計画し、挙行していますが、時代も反映されるため、各校ごと趣のあるものになっているような気がします。
 本校は制服(これが制服を着る最後の機会かもしれません)で式に臨みますが、私の母校など私服の学校は、式のために背広やブレザーの新調や、女子の袴やドレスの準備、髪のセットのための美容室予約まで、保護者は大変なようです。
 卒業証書を受け取るときも、一人一人壇上で受け取る方法や呼名されて起立し、最後に学級の代表が壇上で受け取る方法など様々です。ちょっと変わっているのが、同じ市立高校の開成中等教育学校で、卒業生が一人一人壇上で受け取る前に、保護者席に向かって、30秒程度のスピーチ(決意表明)をします。学校生活を通して、自立した札幌人に成長したことを実感させられます。ちなみに私の母校では学級の代表が仮装をして、パフォーマンスを披露してから証書を受けとっており、当時はよくニュースになっていました。いずれにしても、卒業証書は自分が高校生活を頑張ってきた証ですので、胸を張って受け取り、生涯大切にしてほしいものです。
 時代を反映するものとしては、式の中で使われる曲があげられます。伝統的なクラシックの曲が一般に使われますが、卒業生が退場するときなどは、流行りの曲が演奏されたり、BGMに使われたりしています。私が初めて卒業担任として卒業式を迎えたときは、X JAPANのENDLESS RAIN、卒業担任としては最後になった本校33期生のときは、いきものがかりのYELLが演奏されていました。他にも森山直太朗さんやGReeeeNの曲など、卒業にあう曲はたくさんあります。ただ、今年はコロナ禍なので、本校が誇る吹奏楽局の演奏が聴けないのが残念ですが……。本校の卒業式は厳粛な雰囲気の中で行われます。上級学校に進む卒業生も多いですが、卒業式として一番思い出に残るは高校の卒業式ではないでしょうか。学級ごとに行われるホームルームでは担任から最後の話があります。3年間卒業生を支援し続けた担任の想いが話されるかけがえのない時間であり、卒業生もその想いをかみしめて、学び舎を巣立ってほしいと思っています。
 さて、私も卒業式の式辞を完成させることができました。あとは、コロナ禍で太り気味なので、モーニングが着られるか、不安です。これから頑張って体重を落とします。
 

*編者付記 8月にも触れたヘーゲルの「法の哲学」が1月に新たに岩波文庫で刊行されたので早速買って真っ先に「ミネルヴァの梟(ふくろう)は、夕暮れの訪れとともに、ようやく飛びはじめるのである」の一節を探しました(上巻、序言、40ページ)。編者は卒業式が近づくと思い起こします。 

 

2021年1月20日(水曜日)

 今年は丑年です。丑は縁起が良い動物といわれており、あの学問の神様である菅原道真公がまつられている京都の北野天満宮や福岡県の太宰府天満宮に立派な像が飾られています。
 2年生普通コースのみなさん、是非、3月に見学旅行で大宰府を訪れた際は、ご利益にあやかるため、丑の像をなでてきてくださいね。
 1・2年生のみなさん、冬休み前の放送で私から、この冬休み中に今までの生活や学習を振り返ることが大切であると話をしました。振り返りができた人は、このあと新たな目標設定をすると思いますが、その際に必要な要素が5つありますので紹介します。それは『SMARTの原則』とよばれるものです。(下記のものは、講演会でいただいた資料で紹介されていたものですが、あくまでも1例です。)
  Specific 具体的である(何をやるのか。具体的に行動できるもの)
  Measurable 測り得る(計測可能なもの。何時間、何ページ、何問、何点)
  Achievable 達成可能である(期限内に達成可能なもの。できると考えられる量)
  Reasonable 自分の意図にあう(自分の目的にあっていて、やりたいことである)
  Timely 期限が明確である(時間的制約。いつ、いつまでにやるか)
  立てた目標がこの要素に関して納得がいけば、適切であると思われます。この要素は他にもいろいろな表現になっている場合もありますので、自分で調べてみて、自分に合ったものを見つけて、実践してみてください。
  さて、1月16日・17日には初めての大学入学共通テストが行われました。受験した3年生は、新たな設問形式で戸惑う人も多かったことと思われます。問題をみると、これからの日本の教育が知識量をただ問うのではなく、思考力・判断力・表現力を求めていることがわかります。マーク式の試験なし⇒共通一次⇒センター試験⇒共通テストと変化していき、それに伴い各大学の2次試験の出題も変化してきているので、今後どうなるのか注目していかなければならないと考えています。ちなみに、私は共通一次5教科7科目1000点満点時代であり、マーク式の試験は苦手で、とくに国語は本番でものすごく大きな失点をした思い出があります。(他の教科の失点合計より、国語1教科の失点の方が大きかったので。)その時に経験したことで、とても重要だと感じたのは、2次試験に向けて如何に気持ちを切り替えて、しっかり取り組むことができるかということです。これが合格につながります。3年生のみなさんは、このあとデータリサーチの結果を踏まえての出願となりますが、2次試験に向けて、体調を管理し、ベストを尽くしてください。応援しています!

*編者付記 フランスの哲学者ミッシェル・フーコー(1926-1984)は、物が秩序をもつものとして認識するためには、その秩序を構成する時代や社会の「知の枠組み」を知る視点が必要だと言いました(エピスメーテー)。そうなると時代や社会が変化すれば秩序も変化することになり、共通テストで問われる内容が変化するのも時代の変化に対応していることに気がつきます。
 

2020年11月27日(金曜日)

 早いもので、今年もあと数日で師走を迎えることになりました。師走は旧暦の12月のことを指し、現在の新暦でも同じように使われています。師走の由来は諸説あるようですが、「師」が忙しく走り回るからというのが有力です。「師」は僧侶を表すというときもあれば、教師を表すというときもあります。他には当て字説や「年が果てる」が変化した説などがあるようです。確かに私たち教師は、定期試験の採点や成績つけ、進路面談や冬季講習準備など、ものすごく忙しい月ではあります。1,2年生のみなさんは定期試験が終わりホッと一息つけるときですが、3年生のみなさんはここからが正念場です。「師」以上に忙しい時期ですが、健康に注意して頑張ってください。
 健康で思い出しましたが、先日、インフルエンザ予防接種を受けてきました。その病院で問診表を記入するときに、ちょっと悩んだことがありました。それは、生年月日の欄ですが、西暦で書くのが良いのか、和暦(私は昭和ですが…)で書くのが良いのか、ということです。明治・大正・昭和・平成・令和(またはM・T・S・H・R)と書かれてあれば、はっきりと判断できますが、年だけしかないと悩みますよね。今回は西暦で記入しましたが、私が文書を発出するときにはどちらでもいいように令和2年(2020年)○月△日と使っています。ちなみに昭和64年と平成元年は1989年、平成31年と令和元年は2019年となりますので、お間違えの無いように。西暦は万国共通ですが、和暦は日本独自のものであり、令和は万葉集から引用した言葉で、「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」という意味が込められており、平成は史記と書経から選ばれ、「天地・内外ともに平和が達成される」という意味が込められているそうです。なんとも趣がありますね。結局、時と場合によって使い分けるしかないなあ~と考えています。
 漢字の表す意味として、私が毎年楽しみにしているのは、12月に発表される「今年の漢字」です。その年の世相を表す字として漢字一字を選ぶもので、清水寺で発表し、揮毫されます。10年前の2010年は「暑」、2011年は「絆」、2012年は「金」、2013年は「輪」、2014年は「税」、2015年は「安」、2016年は「金」、2017年は「北」、2018年は「災」、2019年は「令」となっています。「暑」は記録的な猛暑の年、「絆」は東日本大震災など災害が続いた年、「税」は消費税増税の年、「令」はもちろん新元号の年など、その当時何があったのかを思い出させてくれます。さて、2020年はいったい何になるのでしょうか。鬼滅の刃が記録的な大ヒットをとばしたことから、「鬼」か「滅」、新型コロナウイルス関連では、コロナ禍の「禍」、また3密を避けることから「密」もあり得るのではないでしょうか。発表まで、まだ時間があります(例年は12月12日)ので、みなさんも全集中で予想してみてください。

*編者付記 今年出来た時間の余裕の収穫は沢山本が読めたことです。春に今の世の中を思ってカミュの「ペスト」を再読、あたかも今の世の中の「コロナ禍」の予想のようで、「ペスト」を「コロナ」に置き換えたら全く今の世の中の話でした。(写真は新潮文庫版)  

 

2020年10月21日(水曜日)

 学校の周りの木々も色づき、秋の美しさを感じる今日この頃、天気がとても良いので、校舎の周りを歩いていると、大量の雪虫に遭遇しました。雪虫を見ると、もうすぐ初雪が近いこと(冬の訪れ)を感じてしまうのは、北海道民だからでしょうか。
「雪虫っていったいどんな虫?」
 そう疑問を持った私は、いろいろと調べてみました。(これが探究の第一歩です)
私が見た雪虫の正式名称はトドノネオオワタムシといい、体が白い綿に覆われたアブラムシの仲間です。他にもタマワタムシ科に属するアブラムシはすべて「雪虫」といわれるようです。なんと「アブラムシ」だったとは…。ヤチダモやアオダモに寄生し、6月から10月まではトドマツの根につき、樹液を吸います。そして、またヤチダモの木などに戻ってきます。そのときの移動が飛行です。この飛行状態をみなさんが目撃するのです。当然、体長が数mmしかないので、風の強い日には飛べません。冬型の気圧配置前の天気が良いときに飛びますので、冬が近いと感じさせるのでしょう。
そんな冬が近づくと、3年生のみなさんにとっては、受験の時期が近づくことになります。すでに進路が決まった人もいますが、多くの人がこれからですね。
 3年生のみなさんは3年前にも受験(このときは高校受験)を経験していますが、あの時とは比べものにならないぐらい教科内容の難しさ、自分で主体的に勉強することの大切さ、全国規模となる受験レベルの高さにプレッシャーを感じている人も多いのではないでしょうか。でも、心配しないでください、全国の高校生の悩みはみんな一緒です。みなさんだけが特別ではないのです。
 私はバドミントンの顧問を長く続けていましたが、バドミントンの練習・試合と受験は同じであると感じています。バドミントンでは、練習前の何キロかのランニングに始まり、フットワーク、基礎うち、タッチクリアー、ローテンションドライブ、ジャンピングスマッシュなどの基本練習を毎日反復します。そして、実戦形式(試合形式)の応用練習に移ります。受験も基礎基本の反復(特にマーク試験)、そして応用問題(2次試験)の練習をしていきます。ここで必要なことは、ともにどれだけ主体的に手を抜かずにやってこれたか、毎日の厳しい反復の中でやってきたんだという自信を持つことです。
 そして、いよいよ本番を迎えます。本番を乗り越えるためには、心(精神・気持ち)と体(コンディション)が必要です。私はバドミントンの大会で本校の部員が、あと1・2本とれば全道大会出場権を獲得する場面をベンチや大会本部で何度も見てきました。そういう時に選手にアドバイスすることは、競った時に最後に勝つためには『勝つんだという強い意志を持った方が必ず勝つ!』ということです。逆に自分が上位選手であっても、弱気になれば足元をすくわれます。受験も気持ちを最後まで強く持ち、気を抜かず粘り強く『大丈夫だ』と自分に言い聞かせることが大切なのです。
 1、2年生のみなさんも、3年生の姿をよく目に焼き付けて、今から努力を続けてください。「継続は力なり」ですよ。

*編者付記 この時期外を歩いていると「雪虫」がよく口に入ります(自転車通学の人はなおさらでしょう)が、それが「アブラムシ」だと思うとギョッとしますね。ちなみに古代の哲人アリストテレスの大好物はセミだったそうです。
 

2020年9月23日(水曜日)

 この間、本校のグローバルコース卒業研究発表会に参加しました。3年間、グローバルコースで学んだ集大成として、各自がプレゼンするのですが、選んだテーマやそれに対する自分自身の考えがしっかりしており、プレゼンする英語(語学力)もとても素晴らしいものがありました。特に英語を使って質問に対する受け答えが適切におこなえていることに感動を覚えました。発表してくれた生徒のみなさんは、人前で話せる度胸がつき、コミュニケーション能力も身についたことでしょう。次の機会には、市立の他校も招いて交流したいですね。特に大通高校の国際クラスの生徒たちや、国際交流が盛んな開成中等教育学校の生徒たちは、このプレゼンに大きな興味を示すことでしょう。移動が難しければ、オンラインで配信する方法もあります。また、この発表会の内容を外部に発信することによって、進路を検討している中学生も興味をもつことでしょう。
 プレゼンテーションは、私が高校生の頃は特別必要性を感じるものではありませんでした。どちらかと言えば、ビジネスマンが自分の企画の売り込みのために使っているイメージでした。全員の前で発表するときも、スピーチで行うか、ポスターを使って説明するかであり、パワーポイントを使って視覚にも訴えかけるということはありませんでした。しかし、日本の社会もグローバル社会となり、言わなくとも相手の意図していることがわかる従来の日本のやり方が通用しなくなり、はっきりと論理的に考えを主張するようになってきました。国際社会での活躍が求められる中では、語学力(特に英語)が絶対必要となり、プレゼンをより効果的に行うためにITの利用も必然となりました。今や社会人はもちろん、大学生、高校生までプレゼンを経験し、身につけています。校長である私も研究会でプレゼンする際には、パワーポイントを用い、どうすればより自分の考え方を相手に伝えられるか考えています。自分の考え方を理解してもらい、それに対してアドバイスをもらうことができれば最高ですね。
プレゼンテーションは練習すればどんどん上達するようです。清田高校生のみなさん、機会があれば、積極的に取り組んでみてください。将来、何度も経験することでしょうが、早いうちから経験する(学ぶ)ことをお勧めします。
 話は変わりますが、19日~22日の連休はどう過ごしましたか?今年度になって、初めての連休だったのですが…。部活動に取り組んだり、模擬試験を受けたり、自分の好きなことに時間を使ったりと気分転換もできたでしょうか。「読書の秋」「食欲の秋」「スポーツの秋」といわれる季節ですが、私は読書にいそしみました。購入したまま、なかなか読むことが出来ずに机に積んだままになっていた中山七里さんの本を読み、幸せな時間を過ごしました。みなさんは何の秋でしょうか?


*編者付記 秋は「芸術の秋」とも言われます。ドイツの哲学者イマヌエル・カントは「判断力批判」の中で、芸術の「美しさ」とはすべて見る人の主観だと言っているようです(と編者は理解しました)。読書もスポーツもグルメも、みなさん自身が自分だけの判断の「イイネ」とどれだけ思えるかで、人生が豊かになれそうな気がします。

 

2020年8月20日(木曜日)

 先日、バラエティー番組を見ていると、土曜深夜ドラマ「М 愛すべき人がいて」でアユ役の若い女優さんが、「もちじゅう」という言葉を使っていました。
「もちじゅう」って何?
 慌てて携帯で調べてみると、「持ち運び充電器(つまりモバイルバッテリー)」のことで、若者言葉であると書いてありました。いつまでも若いつもりでいましたが、完全に取り残された気持ちになってしまいました。言葉は省略(短縮)されると、さっぱりわかりません。
また、最近は人の話を聞いていると、盛んに横文字が使われており、その意味を思い出すために一旦思考が停止してしまい、話についていくのが困難になります。最近の若者言葉は、伝える相手によって「意味が伝わらない」などのリスクを抱えます。
 3年生のみなさん、受験の際、面接では使うことのないように注意しましょう。
 さて、言葉といえば、毎年、三省堂がその年の新語大賞を選んでいます。ちょっと羅列してみると、2016年は「ほぼほぼ」、2017年は「忖度」、2018年は「ばえる」、2019年は「ペイ」となっています。私も「ほぼほぼ」は結構使うことがあります。「ほぼ」でもいいのですが、何となくより強調された感じがしています。昔は使っていませんでしたが、テレビのCMで犬のお父さんが戸惑うのを見て、いつの間にか使うようになっていました。今や辞書にも載る日本語になっています。言葉には流行がありますね。
ただ、昔から使われている日本語には美しさや教養があふれているものが数多くあります。挨拶の時の敬語や手紙の文章に使われている言葉などがそれにあたります。みなさん、是非、若いうちに本をたくさん読み、そういう日本語に触れておいてください。
 話は変わりますが、本といえば、最近本屋さんの良く買われている本のランキングの上位に「思考の整理学」という本が並んでいます。この本の著者は外山滋比古さんという英文学者であり、エッセイストでもあった方ですが、先月末にお亡くなりになりました。その著書は有名なものが多く、特に「思考の整理学」は東大生・京大生に一番読まれた本としても有名です。東大生・京大生ではない私も読んだことがあります。特別難しい表現を使っているわけでもなく、とても読みやすい本です。時間があるときに読んでみてください。
 さて、この文章を書いているときに、教頭先生が来たので、「ふっかる」って知っている?と尋ねたら、すぐに「フットワークが軽いですね」と答えられてしまいました。悔しい! これからはもっと若者言葉にも積極的に触れてみようと感じた次第です。

 

*編者付記 2017年に流行語大賞の候補になった「アウフヘーベン」という語はドイツの哲人ヘーゲルの提唱ですが、あの時はどう考えても使い方を間違っていると思いました。言葉の正しい理解が大切と痛感する次第です。

 

2020年7月22日(水曜日)

 暑い夏がやってきました。今年の夏は、新型コロナウイルスの影響で、夏季休業日が授業日へと変わり、みなさんは今までにない経験をすることになりました。マスクを着用しての授業は大変ですが、息苦しさを感じたときはマスクを外してください。また、水分の補給も忘れずに行ってください。夏場は発汗もしますから、スポーツ飲料を取るのも効果的です。
最近のニュースに目を向けてみると、九州地方や中部地方を襲った記録的な豪雨とその被害、新型コロナウイルス感染者の増加など深刻なものが多くなっています。しかし、そんな中で感動を与えられたニュースもありました。それは、将棋の藤井聡太さんが、なんと17歳11か月で棋聖となり、最年少タイトルを獲得したことです。将棋はかなり奥の深い競技で、何百手以上も先を読んで、手を進めていると聞いたことがあります。高校生ぐらいの年齢でそれを可能にしていることに底知れぬ力を感じえません。
 新聞のコラムの書き出しに「少年は突然、盤上に覆い被さり、ややあって火がついたように泣き出した。10年前の11月のこと。(中略)8歳だった藤井聡太七段の負けず嫌いを伝える逸話であるが…」とありますが、誰もが幼いときにゲームをしたり、かけっこをしたりなど他人との勝負事で負けて、悔し泣きすることを経験していると思います。だが、問題はそこから先どうするかということです。そこで挑戦をやめてしまうのか、強い意志を持って挑戦し続けるのか、進む道の大きな分岐点になります。挑戦し続けることはかなりつらいことですが、自分の好きな道を自分の強い意志を持って進んできた藤井聡太さんはすごい人だと思います。
 禅語には「百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)に一歩を進む」という言葉がありますが、百尺の竿の先に達しているが、なお更にその先へと進もうとする、すなわち、努力や工夫をして目標を達成したとしても、更に尽力しなければならないという意味です。この言葉のように、藤井聡太棋聖も更に先へと進んでいくのは間違いないでしょう。
清田高校生のみなさん、これは勉強や部活動などにおいても同じことです。みなさんには強い意志をもって挑戦し続けることを私は希望しています。

 

*編者付記 プラトンの「パイドロス」は岩波文庫で手軽に読めますが、その中に「駒で敵を追い詰める戦争ゲーム」という話があって、これが「将棋」のルーツという説もあります。そうなんでしょうか?

 

2020年6月30日(火曜日)

 清田高校の校長室の壁には『教学半』の立派な書が掲げられています。この言葉は中国の歴史書「書経」に書かれているもので、「人に何かを教えるときは、半分は自分にとっての勉強になる」「人にものを教えるためには、自分自身が勉強してよく理解していなければ教えられない」と解釈されます。先週で教育実習が終わりましたが、今回実習していた6名の先生方はとても熱心で、まさに『教学半』であったと思います。2,3週間という短い期間でしたが、とても良い経験を積まれたのではないでしょうか。
 また、後輩にあたる高校生のみなさんにとって、夢を追い続ける先輩の姿はどう映りましたか。みなさんも負けずに夢を追い続けてはいかがでしょうか。
 さて、話は変わりますが、6月も今日を残すのみとなりました。学校が再開してもうすぐ1か月、時のたつのはあっという間です。
 以前、大学時代からのつきあいで、現在、道立高校の校長先生をしている友人から、こんな話をされました。「年を取ると時間が早く過ぎると感じるのは、気のせいではなく、身体的代謝量が落ちているからだ。空いた時間にジムに通って身体を鍛えているような経営者が、常人よりも何倍も仕事量をこなすのは、代謝を高めることによって、心的に時間を長く感じているからだ。」
私は、この話を聞き、なるほどと思い、早速、休日、娘と久々にテニスをしました。しかし、精神的にはすっきりしたのですが、肉体的にはかなりの筋肉痛のため、仕事量が上がりませんでした。そこで、友人に電話すると、「適度な運動」って言っていなかったかと。
 思わず、そこをもっと強調してほしかったと声に出してしまいました。
 さて、みなさんも新型コロナウイルス感染防止のため、自宅にこもり、運動不足になっていませんか。特に3年生のみなさんは、部活動が休校のまま引退した人も多いかもしれず、また将来の進路(夢の実現)に向けて、必死になって勉強に取り組んでいることと思います。仕事量(勉強量)アップに向けて、ウオーキングでもランニングでもラケットの素振りでもいいので、「適度な運動」をしてみてはいかがでしょうか。

 
*編者付記 古代の「哲人」プラトンは青年期はレスラーとしても活躍しており、一説では「プラトン」という名も「肩幅が広い」という意味のあだ名で、その体格は堂々とした「鉄人」だったようです。

 

2020年6月3日(水曜日) 

 いよいよ待ちに待っていた学校が再開しました。みなさんの笑顔、とても素晴らしいですね。廊下から見ていると、授業も少人数ですが、それを感じさせない程、充実したものになっていると感じます。みなさんも「やっぱり授業っていいな」「もっと授業を受けたいな」「学校っていいな」「友達っていいな」と感じていませんか。そのうれしいワクワクする気持ちを忘れずに、今後の学校生活を送ってください。
 さて、6月8日(月曜日)からは教育実習が始まります。みなさんの先輩にあたる卒業生が、大学に進学し、将来の夢を達成するために母校の教壇に立ちます。感染症防止のため、マスクをしているので、なかなか話しづらいと思いますが、機会があれば、積極的に話をしてみてください。実習生は緊張しています、みなさん応援しましょう。
 卒業生は卒業と同時に同窓会に入会していますが、清田の同窓会は素晴らしく、3か年計画で普通教室にプロジェクターを設置してくれるところを、できれば前倒しで、早めの設置を検討してくれています。ありがたいお話です。みなさんが同窓会のメンバーになったときには、同様に後輩たちを大切にしてくださいね。
 私事になりますが、私も35年ほど前に母校に教育実習に行きました。慣れないスーツに身を包み、緊張していたことを今でも思い出します(転校生になった気分です)。ただ、大学生の時、塾のアルバイトをしていたので、その時の教え子がたくさんいて、教室の扉を開けると、なんとクラスの黒板で私のことを紹介していたのには驚きました(おかげで自己紹介省略)。ただ1つだけ誤解されていたのは、「先生、数学の先生だったんですね。理社科と思っていました…(笑)」。これには困ってしまいましたが、緊張もすぐ解け、教科書を開いてスムーズに授業に入ることができました。クラスの生徒からいただいた似顔絵付きの色紙は今でも大切にしています。(右上は教育実習の時の色紙似顔絵コピー)

 *編者付記 この絵は「school」と同じ語源の「スコラ哲学」の学校の様子です。スコラ哲学とは権威に学ぶのではなく理に学ぶ学問です。

 

2020年5月20日(水曜日)

 休校期間が長く続いていますが、みなさんはどう過ごしていますか。私は断捨離しようと思い、部屋の整理整頓に取り組みました。ただ、古い卒業アルバムなどを見ていると、なかなか進まない状況です。
 そんな中、私が高校時代のアルバムを見ていると、当時お世話になった先生方の写真があり、当時の授業が懐かしく思い出されました。
一番印象深いのは、倫理のH先生です。予告はされていたとはいえ、1学期のテストがすべてギリシャ語で出題されたのは衝撃的でした。わからないままに、必死に文章から意味を想像し(暗号を解読し)、これはアガペー(愛)ではないかとわかり、答えを書いた時の満足感は今でも忘れられません。ただ、先生が巡回してきた際に、「答えもギリシャ語で書けよ」と指示されて、高校で初の0点を取りました。ちなみに2学期がラテン語、3学期が英語で問題文が書かれており、答えもその言語で書くように指示されました。3学期の英語は南北戦争のときのリンカーンの演説だったので、よくできた記憶があります。さらに、その先生の凄いことは、夏・冬の長期休業中に指定した哲学の本(「ソクラテスの弁明」「方法序説」など)を10冊ずつ読ませ、それぞれの感想文を提出させたことです。最初は嫌でたまりませんでしたが、読んでいくうちについつい引き込まれてしまいました。
 人間は、個人差はありますが、誰しもが知的好奇心を持っています。それはどんな場面で表れるかわかりませんが、読書などは典型的な場面でしょう。若いうちに本を読むことは知識の幅を広げ、本を読むだけで私たちにいろいろな体験をさせてくれます。難しい本でなくてもいいです。エッセイだとか小説だとか、何でもいいです。1冊でも2冊でもいいです。読書に取り組んでみてはいかがでしょうか。

*編者付記 この絵が何を表しているか知っていますか? 知らない人は「ソクラテス」で検索して、その背景を探究しましょう。