風のなかに光がこぼれ、春の香りが感じられるようになりました。校舎から見える円山は、木々の芽吹きで山全体が薄赤く色づき、生命の力がみなぎり始めています。

本日の、この佳き日に、

本校PTA会長   豊岡 亜紀 様、

紫雲会会長     山本 清和 様、

をはじめ、ご来賓の皆様のご臨席を賜り、本校第64回入学式を挙行できますことは、私ども教職員一同、なによりの喜びとするところであります。

先ほど、入学許可をいたしました、新入生の皆さん、改めまして入学おめでとうございます。今、皆さんの胸の中は、入学の喜びと、今後の高校生活に向けての大きな期待に満ちあふれていることと思います。

また、お子様を今日までいつくしみ育んでこられました保護者の皆様、お子様のご入学を心よりお祝い申し上げます。私ども教職員は、渾身の努力をもってお子様への指導に務めることをお約束申し上げます。

 

 旭丘高校は、昭和三十三年、普通科高校の開設を求める多くの市民の方々の運動が実って開校しました。以来、札幌市立高校の中で、最も古い全日制普通科高校として、アカデミックな校風のもと、二万人を越える優秀な卒業生を送り出し、市民の大きな期待に応えてきました。その後、創立四〇周年を機に「道しるべ この坂越えん」を制定しましたが、生徒・教職員がより高みを目指すための大事な言葉になりました。さらに、平成一六年には、道内の全日制普通科公立高校では最初の単位制高校となり、一人一人の生徒の意志や個性を大切に、大学や社会に通用する高い教養や資質を育成し続けてきました。旭丘高校は、市民に支えられながら、たえず未来を見据えて、新たなことに挑戦し続けている学校であり、その中で自覚と責任とに裏打ちされた自主・自立の精神がしっかりと受け継がれてきたことも、忘れてはいけないことです。皆さんが、そういう旭丘高校に仲間入りし、一緒に新たな挑戦を続けられることに、私は、大きな期待を感じています。私たちと一緒に、それぞれの持てる力を発揮して一歩一歩成長しながら、次の旭丘高校を築いていきましょう。

 

私が、今ここにいる皆さんに願うことは、皆さん一人ひとりが、これからの自らの幸せな人生と、幸せな未来社会を、力強く築いていってほしいということです。そのために、皆さんが旭丘高校で学ぶにあたって心にとめてほしいことが三つあります。

一つ目は「広く社会に目を向け、志を高く持ってほしい」ということです。これからの変化の激しい世界を生きる皆さんには、自分の身の回りだけでなく、広く社会や世界にも目を向け、大いに視野を広げ、見識を高めてほしいと思います。そしてその中で、自分はどうしたいか、どうなりたいか、という「志」を持ってください。

二つ目は、「大いに学び、いろいろなことに挑戦してほしい」ということです。これから皆さんは、学校を卒業して社会人となってからも、生涯にわたって様々なことを学び、その時々に進むべき方向を見定めていくことになります。高校ではその基礎となる力を養ってください。またいろいろなことに積極的にチャレンジして、学んだことを生かす力を身に付けてください。

三つ目は、「いろいろな人と出会い、豊かな関係を結んでほしい」ということです。

学校生活では、多くの人とともに生活し、各自が役割や責任を分担していきます。まさに社会の縮図です。「いじめを許さない強さ」「人の気持ちに寄り添うことのできる優しさ」「人と人とをつないで、物事を進めていく面白さ」これらを、高校生活のさまざまな体験をとおして感じ、自分のものにしてください。

皆さんは、一人一人が唯一無二のかけがえのない存在です。その一人一人がかけがえのない高校生活を通して学びを深め、自己を築き、自らが生涯にわたって生きていく上での「志」をはぐくんでほしいと思います。

 

中国の古典に「論語」という有名な書物があります。約2500年前の孔子という人物の言葉を記したものですが、現代に生きる私たちも、折々に心に響く言葉に出会うことができる書物だと思います。この論語の中に、「これを知るものはこれを好むものに如かず。これを好むものはこれを楽しむものに如かず。」という言葉があります。これは、何事にも前向きな気持ちで楽しみながら取組むことが大きな成果につながることを述べているのです。皆さんの旭丘高校での学びが楽しく実り多いものとなることを願っています。

 

保護者の皆様にお願い申し上げます。お子様をはぐくみ成長を支援していくためには、ご家庭と学校が密に連携し、協力することが何より大切です。どうか、学校の教育方針にご理解を賜り、お子様が、成長し、自立していく過程を、温かく見守り、励ましの言葉をかけていただきたいと思います。学校もご家庭や地域の皆様のご理解が賜れるよう、開かれた学校づくりをなお一層推進して参りたいと思います。

また、今般の新型コロナウイルス感染症の流行により、この入学式も変則的な形での実施となりましたが、保護者の皆様のご理解とご協力に深く感謝申し上げます。札幌市内では、現在もまた感染拡大が心配される状況で、今後の学校生活も、制限や不自由のある中で行わざるを得ませんが、安全安心を第一に、可能なことを工夫しながら精いっぱい取り組んでまいりたいと思います。引き続き、ご協力とご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 

最後になりますが、本日、晴れて入学式を迎えられました、「旭丘高校64期生」の皆さんが、これから実り多き高校生活を送り、豊かに逞しく成長していくことを心より祈念し、式辞といたします。