平成31年度 始業式にあたって 

 

新年度が始まり、また元気な皆さんと共に新しい一年を始めることができることをうれしく思います。

今年度の始まりにあたって、「目標」についてお話しします。

 

学校では、「学校教育目標」を立てて、その達成を目指して教育活動を行っています。皆さんのガイダンスブックにも「教育目標」のページがありますので、読んだことがあると思います。

今年度は、この「学校教育目標」を、これまでの理念を受け継ぎながら、表現の形を改めました。皆さんに目指してほしいことが、これまでと大きく変わったわけではありませんが、特に重点的に皆さんに身に付けてほしい力として、三つを掲げました。それは、

1)自主・自立の力

  自己を確立し、他者とのよき関係を築いていこう

2)生涯にわたって学び続ける力

 必要な知識や技能を獲得し、学び方や学んだことを活かす力を身に付けよう

3)社会に貢献する力

  高く理想を掲げ、深い見識と豊かな感性を持って幸せな未来社会の実現を目指そう

です。

 

1)自主・自立の力

これは、皆さんお馴染みの言葉だと思います。でも、「自主・自立」とは何でしょうか。「自主・自立」には自覚と責任が伴うとよく言われます。これはどういう意味でしょうか。

「自主・自立の力」を身につけるには、まずは、自分を知り、自分のいいところを自覚して自分を好きになってほしい。そうすると、次に自分に必要なことが何か、自分でわかってくると思います。

「自主・自立」とは、「自分が中心」という意味ではないことは皆さんよくわかっていると思います。「自分」は他者との関係の中で生きています。自らを肯定し、自らの意思を持ち、主体的に行動できるということは、他者との関係の中で自分を活かし、それによって相手も活かしていく、ということができるということです。つまり、他者への思いやりの気持ちを持つことや、礼儀やマナーをわきまえること、ルールを守ることも「自主・自立」に含まれています。皆さんには、自己を確立し、他者とのよき関係を築いていってほしいと思います。

2)生涯にわたって学び続ける力

これからの社会は、グローバリゼーションの波の中で、人口構造の変化、絶え間ない技術革新などにより、大きく変化していきます。皆さんが、この変化に対応しながら幸せな人生を築いていくには、社会に出たのちも生涯にわたってその時に必要なことを学び、それを活かして課題を解決していくことが必要です。高校時代には、その基礎となる必要な知識や技能を獲得し、学び方や学んだことを活かす力を身に付けてほしいと思います。

(3)社会に貢献する力

私たちはいったい何のために学ぶのでしょうか。考えてみたことはありますか?私は、幸せな人生を送るためだと思います。幸せな人生を送るには、同じ時代に同じ社会で生きる人々がみんな幸せでなければ、自分だけが幸せということにはなりません。自分の幸せが誰かの不幸せの上に成り立っているとすれば、その幸せを心から喜ぶことはできないでしょう。社会の中で、幸せな人が座る椅子の数に限りがあるとすれば、自分の家族や自分の友達も、いつかその椅子に座れなくなるかもしれない。それでは本当に幸せな気持ちにはなれませんね。宮沢賢治は、「世界全体幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」と言いました。自分だけでなく、社会が幸福になるためにはどうしたらいいのかを考えることが、自分の幸福に繋がるのだと思います。皆さんには、高く理想を掲げ、深い見識と豊かな感性を持って幸せな未来社会の実現を目指してほしいと思います。

そして今お話しした三つの力は、ばらばらの別のものではなくて、皆さんの中に形成される人格、人として生きる力を、切り口を変えて表現したものだと思います。高校生活を通じ、皆さんが格調高く人格を形成し、成長していってくれることを願っています。

新しい年度の始まりに、学校全体としての皆さん全員に共通する目標のお話をしましたが、皆さん一人一人も、それぞれが今年一年への期待や意気込みを持っていると思います。例えば学習をがんばりたい、部活動でこんなことをしたい、こんなことができる自分になりたい、など、それぞれ思っていることがあると思います。まずは、それをはっきりと意識して、自分用にカスタマイズした目標を持ってください。

 目標とは、少し先に見えていて、頑張って手を伸ばせば届くであろうこと、つまり「この坂越えん」の坂道です。何かを成そうとするときは、目の前にある一つ一つのことに一生懸命取り組みながら達成していく、すべてはそこから始まります。

今年一年間、皆さんがそうやって、自分自身を磨き高めていくことを、期待します。