新年度が始まり、皆さんと共に新しい一年を始めることができることをうれしく思います。

 新型コロナウイルス感染症のため、今、世界的に社会全体が大きなうねりに翻弄され、国内でも、関東地方などに「緊急事態宣言」が出されるなど、大変厳しい状況が続いています。学校では、昨年度の3月から臨時休業が続き、ようやく今日から再開しました。けれども、まだ今まで通りの普通の学校生活ではなく、いろいろな制限の中で、やりたいことが十分にできない不自由な生活が続きます。それでも、まずは生徒の皆さんが学校に戻ってきて、授業や部活動などができるようになったことを喜び、これを大切にしていきたいと思います。

 学校での生活が始まるにあたって、生徒の皆さんには、注意してほしいこと、協力してほしいこと、あるいは我慢してほしいことがいくつかあります。後ほど担任の先生からお話がありますが、今できるこの生活を大事にして、自分や家族や、社会を守るために、協力をお願いします。

  今年度の始まりにあたって、「目標」についてお話しします。

学校では、「学校教育目標」を立てて、その達成を目指して教育活動を行っています。

今年度は、この「学校教育目標」で、特に重点的に皆さんに身に付けてほしい力として、三つを掲げています。それは、

(1)自主・自立の力

  自己を確立し、他者とのよき関係を築いていこう

(2)生涯にわたって学び続ける力

 必要な知識や技能を獲得し、学び方や学んだことを活かす力を身に付けよう

(3)社会に貢献する力

  高く理想を掲げ、深い見識と豊かな感性を持って幸せな未来社会の実現を目指そうです。

 

「(1)自主・自立の力」

 これは、皆さんお馴染みの言葉だと思います。でも、「自主・自立」とは何でしょうか。

「自分」は他者との関係の中で生きています。自分の良さを自覚し、自分の意思を持ち、主体的に行動できるということは、他者との関係の中で自分を活かし、それによって相手も活かしていく、ということができるということです。皆さんには、自己を確立し、他者とのよき関係を築いていってほしいと思います。

「(2)生涯にわたって学び続ける力」

 学ぶということは、先生から教えてもらう、先生から出された問題を解く、というだけではありません。現実の社会で遭遇するさまざまな課題を乗り越えていくためには、自分で必要なことを見極めてそれを自分で学んだり、自分で自分に問題を出したり、あるいは周りの人と協力体制を作って一緒にそれに取り組んだりしていくことが、卒業して社会に出た後もずっと必要です。高校時代には、その基礎となる必要な知識や技能を獲得し、学び方や学んだことを活かす力を身に付けてほしいと思います。

「(3)社会に貢献する力」

 私たちはいったい何のために学ぶのでしょうか。考えてみたことはありますか?私は、幸せな人生を送るためだと思います。幸せは、自分だけでなく、社会全体で実現していくものです。社会全体が幸福になるためにはどうしたらいいのかを考えることが、自分の幸福につながるのだと思います。皆さんには、高く理想を掲げ、深い見識と豊かな感性を養って幸せな未来社会の実現を目指してほしいと思います。

 そして今お話しした三つの力は、ちょうど今のような、社会全体が大きな困難に直面している時こそ、求められ、発揮されなくてはならない力だと思います。現在のような状況はできるだけ早く収束してほしいですが、こんな時に、皆さん自身が、自分にできることは何か、どうすることが自分や社会の幸せにつながるのか、考えることは、とても良い学びの機会でもあると思います。高校生活を通じ、皆さんが格調高く人格を形成し、成長していってくれることを願っています。

 新しい年度の始まりに、学校全体としての目標のお話をしましたが、皆さん一人一人も、それぞれが今年一年への期待や意気込みをはっきりと意識して、自分自身の目標を持ってください。

 目標とは、少し先に見えていて、頑張って手を伸ばせば届くであろうこと、つまり「この坂越えん」の坂道です。何かを成そうとするときは、目の前にある一つ一つのことに一生懸命取り組みながら達成していく、すべてはそこから始まります。

 今年一年間、皆さんがそうやって、自分自身を磨き高めていくことを、期待します。